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アレックス・ペントランド『ソーシャル物理学』

社会物理学とは、情報やアイデアの流れと人々の行動の間にある、確かな数学的関係性を記述する定量的な社会科学である。社会物理学は、アイデアが社会的学習を通して人々の間をどのように伝わっていくのか、またその伝播が最終的に企業・都市・社会の規範や生産性、創造的成果といったものをどうやって決定づけるのか、私たちの理解を助けるものだ。(p.16)MITメディアラボで社会物理学という分野を切り開いてきた著者による解説本...

井上篤夫『アメリカの原点、ボストンをゆく』

ボストン在住の21名へのインタビュー。ボストンという街の特性を伝えようとしている。本が書かれたのは2007年。松坂大輔がボストン・レッドソックスに入団したことで、ボストンという街が日本から注目を浴びた。本書はその流れの中でボストンを紹介するように書かれている。ただそれぞれのインタビューは一貫した何かのテーマについて聞いているのではない。それぞれの人が自分の生まれや現在の生活、ボストンについて語っている...

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット『ライフ・シフト』

100年ライフの大きな特徴の一つは、ライフスタイルと人生の筋道が多様になることだ。どのような人生を生きるかは、一人ひとりの好みと環境で決まる。多様性の時代には、決まったお手本に従っていればいいという発想は通用しない。本書でさまざまな人生のシナリオを紹介するのは、長寿を厄災の種ではなく恩恵の源にするように、3ステージの人生に代わる有効な選択肢がありうることを示したいからだ。(p.179)医療や公衆衛生の進展に...

大泉陽一『未知の国スペイン』

スペインの中でも独自の文化をもつ、バスク、カタルーニャ、ガリシアについて。歴史や教会文化、食文化などが簡潔に記されている。著者はスペイン在住の経済系の研究者だが、本書はもともとその父親の記した本の改訂だそうだ。バスクについては、その過激な独立運動もあって単書がいくつか見られる。カタルーニャは人気都市のバルセロナを含んでいるため、数多くの本がある。ガリシアはかなりマイナーな方。サンティアゴ・デ・コン...

新清士『VRビジネスの衝撃』

VRの現状について書かれた一冊。簡単な歴史、現状の使われ方、アメリカや日本の状況、これからの展開について簡潔に書かれている。内容としてはオキュラスのヘッドマウントディスプレイによるVRゲームの話がメイン。それはVRの現状がそういうものだということだろう。VR(Virtual Reality)という言葉自体は1989年にジャロン・ラニアーという人が言い出したものだそうだ。この後、1990年台は一回目のVRブームになる。昨年2016年がVR...

小川さやか『「その日暮らし」の人類学』

著者はタンザニアを調査フィールドとする文化人類学者。タンザニアの人々の生き方から、その日暮らしで生計を立てる人々について語る。著者はこうした人々の経済から、先進国諸国で規範とされるような経済の姿とは違う経済のあり方を模索している。私たちの社会では、未来に起こることを予測し、それに向かっていま準備をしていくという未来優位の考え方が支配的である。また、技術や知識を蓄積し、活かしていくという生産主義的・...

小川さやか『都市を生きぬくための狡知』

アフリカ民俗学の博士論文が元になっている。しかし学術的な堅苦しさはあまりなく、極めて面白い。題材はタンザニア西部、ビクトリア湖に近いムワンザという都市における、零細商人たち。こうした零細商人は、現地スワヒリ語でマチンガと呼ばれている。語源は行商人(英語のmarching guy)から来ているようだ(p.3)。こうした人々は、経済基盤や商習慣の整った先進国からは想像もつかないほど異質な人々であることは、想像に難くな...

宮地ゆう『シリコンバレーで起きている本当のこと』

朝日新聞記者によるシリコンバレーのレポート。新聞に連載されていたもののまとめのようだ。そのためか、記述のレベルはかなり易しい。だが深いところには入り込んでいない。現地在住者のレポートであるが、ほとんど日本にいながらでも手に入る情報だ。現地メディアで話題になっていることをなぞった二次ジャーナリズムのように見える。独自の視点からの論点掘り起しは見られない。歴史や文化に踏み込むでもなく、技術に明るいでも...

ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ『ゼロ・トゥ・ワン』

本当に社会のためになるのは、これまでと「違う」ものだ。それが新たな市場の独占を可能にし、企業に利益をもたらす。最良のビジネスは見過ごされがちで、たいていは大勢の人が手放しで賞賛するようなものじゃない。誰も解決しようと思わないような問題こそ、いちばん取り組む価値がある。(p.220)既存の発想を超え、社会に価値をもたらすには。それを可能にするのはテクノロジーだ。テクノロジーとは、以前よりも少ない資源で多く...

ランダル・ストロス『Yコンビネーター』

シリコンバレーのスタートアップ養成所、Yコンビネーターの内実。64組が参加した2011年夏学期を通じて著者は居合わせることを許され、内実をとても鮮やかに描いている。Yコンビネーターのやり方にはもちろん賛否両論あるものの、この本はなるべく中立的に、だが活き活きと表している。Yコンビネーターのちょっとした由来から始まり、2011年夏学期に参加するための面談、3ヶ月に渡る養成の様子、投資家にアイデアを発表するデモデー...

Appendix

プロフィール

坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。
しかし博士号は取らずPh.D. Candidateで進路変更。
哲学と特に関係なくIT業界に住んでいる。

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