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ジェレミー・ベイレンソン『VRは脳をどう変えるか?』

良書。VRとそれが人間の心理に与える影響について。やや楽観論に与するようにも思われるが、かなり中立的な立場から書かれている。Stanford大学教授ということでアカデミアでありながら、ビジネスへの距離は近くバランスの取れた視点だと思う。原題は「オンデマンドでの経験:ヴァーチャル・リアリティとは何か、どう動くか、何ができるか」。脳への影響をメインにした本ではない。著者自体はソーシャルVRに可能性を見ているような...

ステファン・ウェンデル『行動を変えるデザイン』

行動経済学の視点を取り込んだ、UI/UXデザインについての一冊。500ページ弱ある大きな本だが、ポイントは絞られている。行動経済学を生かしているのは前半のデザインの立案について。後半はプロダクト作成のプロジェクトの進め方についての議論が多く、前半を読めば本書のユニークなところはカバーできる。本書では主にITサービスを中心として、行動変容を起こすためのデザインについて語る。行動変容デザインは、使いやすいだけで...

西川徹、岡野原大輔『Learn or Die』

機械学習のベンチャー企業であるPreferred Networks(PFN)の代表取締役2名が、PFNの来歴や今後について語ったもの。一般的なビジネス向けであり内容はまったく難しくない。非上場企業だし、特に自らこうした本を記さなくてもいいだろうが、知名度も上がっているし名刺代わりの一冊ということか。PFNは同じく著者2名が創設者に含まれるPFIからのスピンアウトで、二人個人の来歴を含め、PFIの創業時が描かれるのが面白い。最初の頃、...

野村総合研究所IT基盤技術戦略室『ITロードマップ 2020年版』

今後5年程度の間に普及してくるであろうITのトピックを、毎年扱っているもの。今年はブロックチェーン、5G通信、フェデレーションラーニング、シミュレーション2.0、ML Ops、ブレインテックが5年後の重要技術として挙げられている。また新しいITサービスとして、フリクションレス・リテール、ピープル・アナリティクス、情報銀行と信用スコアが挙げられる。最終章はセキュリティのトレンドについて。今回は2010~2017年版で挙げた...

ジーン・キム他『The DevOps ハンドブック』

DevOpsについて包括的に書かれた、素晴らしい一冊。DevOpsとは何を意図したものなのか、背景となる思想やポイントについて明快に書かれている。GoogleやFacebookを始めとする企業の実践例も豊富。DevOpsを実現する技術については隆盛もあるので個々に追う必要があるが、そもそもDevOpsとは何かについては本書を読めばほぼ足りるだろう。非常に参考になった。DevOpsの基礎はリーン、制約条件理論、トヨタの型(トヨタ生産方式)から...

小川晃通『アカマイ』

大手CDN企業であるアカマイについて。IT系の人間にはそうではないが、一般的にアカマイという企業はあまり知られていない。本書はアカマイの歴史、ビジネスモデル、今後の発展方向を扱っている。アカマイはインターネットの情報の流れを効率化する企業。そこでそもそもインターネット上をどう情報が流れているかの解説に、かなりの部分が当てられている。TCP/IPや名前解決の仕組みなど。またAS(自律システム)の資金力を背景にし...

髙橋慈子、原田隆史、佐藤翔、岡部晋典『情報倫理』

情報倫理について。情報倫理についての学問的アプローチというよりは、日常的な場面での具体的な方針について書いている。大学生初年度向けなのだろうか。ネットにおけるコミュニケーションの仕方、メディアリテラsh-、セキュリティ、個人情報、知的所有権、企業の内部統制といった論点と、科学技術倫理、ユニバーサルデザインといったちょっと情報倫理というタイトルからは意外なトピックもある。情報倫理が近年重要になってきた...

藤井保文、尾原和啓『アフターデジタル』

中国の事例を中心として、これからのありうるビジネスの形を描いた良書。日本企業の中国視察をサポートしている著者が、視察の中で感じた日本企業と中国企業の認識のずれをヒントにして、いまの中国企業が考えるビジネスの姿を見出している。モバイル決済、IoTやカメラなどにより、実店舗などリアル世界でも消費者の行動がデジタル化されつつある。以前はオフラインとオンラインは異なる世界と考えられ、O2O(Online to Offline)や...

望月洋介『スマートシティ・ビジネス入門』

スマートシティを巡るビジネスを概観した本。2012年なので議論としては古い。スマートシティが主張されてきた背景、世界各国の動き、課題、日本のアプローチを概観している。まとまりはよい。2012年段階で、スマートシティは産業としてまた立ち上がっていない(p.17)。副題にあるように4000兆円市場という巨大な推計がされているが、まとまった市場を形成してはいない。スマートシティは、都市人口の増大によるエネルギー、水、CO2...

河野通長『スマートシティモデルで拓く未来社会』

とてもよい一冊。スマートシティの話題にずっと関わってきた日立製作所の著者による、これまでの経緯や世界、日本の展開を押さえてる。結論として、現在捉えられているスマートシティの考え方は以下。スマートシティとは、単に空間的な都市のありようを超えて、住民が希求するライフスタイルの実現に向けて、課題を住民とともに解決し、生活の質を改善し続けるエコシステムである。そのためには産官学に住民を加えた4者からなるQua...

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プロフィール

坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。
しかし博士号は取らずPh.D. Candidateで進路変更。
哲学と特に関係なくIT業界に住んでいる。

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