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福田雅樹・林秀弥・成原慧編『AIがつなげる社会』

総務省情報通信政策研究所の「AIネットワーク社会推進会議」およびその前身にあたる「AIネットワーク化検討会議」での議論に基づき、各著者がAIが社会実装された場合の様々な問題についてそれぞれ論じている。特徴はAIネットワークと称して、AIを搭載したソフトウェアやロボットが単独で動くのではなく、他のAIと協働して動く点を特に考慮に入れていること。また、多少とも未来の論点で具体的なイメージを持ちにくいことに対して、...

ウゴ・パガロ『ロボット法』

ロボットがもたらす法的問題について、法哲学の立場から詳細に検討を行った一冊。ロボットといっても様々なものがある。ロボットの応用は極めて多様であり、規範的課題を検討するうえで一般化をすると失敗する(p.xiv)。本書で検討されるのはドローンや自律型致死兵器システム(LAWS)から、外科手術ロボットであるダヴィンチ、自動運転、金融トレードロボット、NAOやAIBOのようなペットロボットなど。本書ではこれら様々なロボットを...

弥永真生、宍戸常寿編『ロボット・AIと法』

とても面白かった。機械学習による予測の発展と、それを処理プロセスに組み込んだロボットが普及していくにあたって生じる法的問題について、それぞれの著者が論じている。国内・国外の法政策の動向から、近代の法システムが前提とする自由で自律した個人という考えの批判、契約や責任、刑事司法、知的財産権、ロボット兵器といったトピックが扱われている。扱われているトピックは多様。なかには現在すでに問題が生じている契約、...

野口祐子『デジタル時代の著作権』

著作権という制度が、デジタル技術の進化によってどのような影響を受けているか。著作権法が抱えている根本的な問題は、100年以上前に決められた法律の枠組みでありながら、ベルヌ条約などの国際条約により変更せず維持するよう求められていることだ(p.16)。特にベルヌ条約の第27条第3項には、条約の骨子の改正は、加盟国164か国の全員一致でなければ変えられないという規定がある(p.89)。そもそも馬車の時代に作られた法律の枠組...

梅屋真一郎『マイナンバー制度で企業実務はこう変わる』

マイナンバー制度で企業実務はこう変わる(2014/09/25)梅屋 真一郎商品詳細を見る2014年9月刊。マイナンバー制度の導入によって民間企業に及ぶ影響について。新規性のある情報は無かった。内容のまとまりや対応のフローなどが載っている点からして、同著者の『人事・総務のためのマイナンバー制度』を読んだ方がよい。後者の本があることからすると、本書はあまり意味をなさない。...

梅屋真一郎『人事・総務のためのマイナンバー制度』

人事・総務のためのマイナンバー制度 (労政時報選書)(2014/12/17)梅屋 真一郎商品詳細を見るマイナンバーの情報には多く接してきたが、ようやく具体化してきた感じ。この本は2014年10月末の情報を基にしている。民間企業側の一員として制度設計にかかわっている人の書いた本。民間企業の対応として求められるものについて信頼が置ける記述になっている。民間企業といっても、記述の主な対象は金融機関以外の個人番号関係事務実施者...

高下淳子『今までで一番やさしい 法人税申告書のしくみとポイントがわかる本』

今までで一番やさしい 法人税申告書のしくみとポイントがわかる本(2010/01/23)高下 淳子商品詳細を見る法人税申告書の具体的な仕組みやその書き方について解説した本。特に法人税申告書の別表のうち、税務上のP/Lとなる別表四と、B/Sとなる別表五の関連について多くの紙面が割かれている。法人税等の対象となる所得は、会計の経理上において計算されて株主総会の承認を受けた決算数字から、様々な調整を行って確定する。本書では決...

榎並利博『マイナンバー制度と企業の実務対応』

マイナンバー制度と企業の実務対応(2014/06/09)榎並 利博商品詳細を見るタイトルから想像して、マイナンバー制度導入に伴って民間企業が実務対応しなければならないことが詳説されているのかと思うと、期待外れになる。実務対応の要件は確かに書かれているが、それは序章の9つのチェックポイントと、第二章に書かれているのみ。第二章も特定個人情報保護評価についての分量が多い。それ以外は一般的な仕組みの解説、条文解説、今...

須田邦裕『世界一わかりやすい法人税の本』

世界一わかりやすい法人税の本(2012/06/14)須田 邦裕商品詳細を見る法人税について基本的な事項を解説したもので、タイトル通りとても分かりやすい。初めて税務事務を扱うことになった人の話として、対話形式を中心に書かれている。法人税の仕組みが持っている背景思想(法人擬制説や税負担の公平性など)を交えつつ、なぜこのような仕組みになっているのかが書かれている。例えば、制度会計上の利益と費用の考えと、税務上の益金...

岡村久道『よくわかる共通番号法入門』

よくわかる共通番号法入門 ―社会保障・税番号のしくみ(2013/07/02)岡村 久道商品詳細を見る共通番号法、正式には「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」について解説したもの。仕組みについての概要は冒頭の15ページくらいで、残りは法律のほぼ逐条解説となっている。おそらく法務家のための本だと思われる。それ以外の人にはよく分かるとはとても言えない。題名にしたがって、よく分かる入...