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中室牧子、津川友介『「原因と結果」の経済学』

計量経済学の観点からの統計的因果推論の素晴らしい入門書。著者はそれぞれ教育、医療に詳しい。この分野はインが推論の話をするにうってつけ。確かに因果関係がはっきりしない根拠のない通説が山のようにあるのが、教育と医療の分野だ(p.13)。この分野では思いつきの正しそうな説明だったり、科学的実験があっても追試が行われていないような説明に右往左往する人が多すぎる。因果推論、特にエビデンスの強さの階層について学ぶこ...

岩田具治『トピックモデル』

トピックモデルについてとてもよく書かれた一冊。ユニグラムモデルから自然にトピックモデルにつながるように解説されている。またベイズ推論の本としても読むことができる。MAP推定、変分ベイズ推定、ギブスサンプリングについての解説は、それ自体で分かりやすい。ギブスサンプリングはちょっと数式が難しく、途中で追えなくなったが。トピックモデルそのものも、図やアルゴリズム表記、グラフ表現といった手段を駆使して見通し...

ゴードン・リノフ、マイケル・ベリー『データマイニング手法 探索的知識発見編』

主にマーケティング系のデータについて、探索的データマイニングと称して教師なし学習を扱う。クラスタリング(K-means、混合正規分布モデル、分類木、自己組織化マップ)、マーケットバスケット分析とアソシエーションルール、リンク分析、テキストマイニング。探索的データマイニングには方法論がなく、創造的に発見していく試みであるという(p.36f)。それぞれの手法についてしっかりを扱われるが、特にK-meansとアソシエーショ...

福原正大、徳岡晃一郎『人工知能×ビッグデータが「人事」を変える』

日本の人事の問題がどこにあり、それが機械学習を用いたソリューションでどう変わるのかについて。それなりに問題点はまとまっている。またHRtechの事例にとしてはいくつか拾うことができる。人事領域は定性的なデータが多く、また人の評価に関わることから秘匿性が高かったりもする。なかなかデータに基づく判断は難しい。だからこそ出来たときのインパクトは大きい。著者も書くように「もとより人と組織の問題は科学やデータです...

河本薫『最強のデータ分析組織』

素晴らしい一冊。著者が大阪ガスで築いてきたデータ分析チームの軌跡。組織のマネジャー就任から18年をかけて、ハード面・ソフト面からどのようにデータ分析チームを形成してきたが書かれている。もともとデータドリブンではない会社、技術系ではあれどIT系ではない会社で、どうやったらデータ分析によるビジネス的成果を出していけるか、多くのヒントが詰まっている。いまでこそ大阪ガスはデータ分析チームが機能している会社とし...

伊藤公一郎『データ分析の力』

統計的因果分析の入門書としてとても良く書けている。間違いなく、この分野に興味があれば最初に手に取るに適している。数式はほとんど用いずに、因果分析の基本的な考えを述べている。因果分析がなぜ必要なのかから始まり、最良の方法である(p.113)ランダム化比較試験(RCT)を詳説。RCTを用いることができない場面で使える手法として、RDデザイン、集積分析を述べる。さらにパネル・データ分析(差の差法)を紹介。その後、主にア...

池内孝啓ほか『PythonユーザのためのJupyter[実践]入門』

リファレンス的に使える良書。Jupyter Notebookについての入門書に見えるが、書いてある事柄の比重としてはMatplotlibとBokehによるグラフ描画の話が大きい。後は少しPandasについて。Jupyter Notebookについては基本的な動作や、Cloud DatalabやAzure Notebookのクラウド版についても扱われている。とはいえ中身のほとんどはグラフ描画について。こういうのはまとまった本を一冊持っておくとリファレンスとして使えるので、Matplo...

岩波データサイエンス刊行委員会編『岩波データサイエンス Vol.6』

全6巻完結。本巻は時系列解析、特に状態空間モデルを取り上げている。わからないところは多々あれども、なかなか良質の記事が集まっている。冒頭は時系列解析研究の第一人者、北川による解説。とてもすっきりした解説で、これを踏まえば、消費者行動を潜在モデルで分析する佐藤の記事などよく見えてくる。川崎の記事は時系列因果関係という難しい領域を扱っている。単位根検定の必要性とRでのやり方が示される。単位根過程に従う独...

ゴードン・リノフ、マイケル・ベリー『データマイニング手法 3訂版 予測・スコアリング編』

マーケティング系の事例を盛り込んで、データマイニングの手法を解説したもの。データ分析の一般的な流れを扱った章の後、決定木、ニューラルネット、k最近傍法、生存分析の4つの手法について、その概要と顧客分析での実例が書かれている。実例というよりは手法によった解説がメイン。もう少し事例の話が聞けるとよかった。解説の内容はあまり数式は出てこない。直感的な説明を心がけている。面白かった事例としては、追加反応モ...

大湾秀雄『日本の人事を科学する』

人事経済学や組織経済学の観点から、人事領域においてどのようなデータ活用が可能を書いた本。著者の主催する人事情報活用研究会で、各企業が実際に自社内の人事データを分析した事例が多数載っている。人事分野はHRtechとして徐々に盛り上がりつつはあるが、データ分析からは遠い世界になっている。こうした状況で、人事分野で何ができるかをかなり具体的に書いており、参考になる一冊。人事のデータ活用が遅れている理由として著...

Appendix

プロフィール

坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。
しかし博士号は取らずPh.D. Candidateで進路変更。
哲学と特に関係なくIT業界に住んでいる。

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