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福田晃一『共感マーケティングのすすめ』

とても良い本。インスタグラム上でのインフルエンサーを使ったマーケティングについて、かなり具体的に書かれている。著者はインフルエンサーマーケティングの実行を支援する会社を運営している。キーワードはタイトルにもあるように、共感。SNSを使った新たなマーケティングにとって、売ることはプロセスでしかない。顧客が継続的に買ってくれることすらプロセスの一部。マーケティングのゴールは共感を生み出すこと。共感とは、...

マシュー・ディクソン、ニック・トーマン、リック・デリシ『おもてなし幻想』

原題は"The Effortless Experience"で「努力なしの経験」だが、うまい邦題をつけたものだ。カスタマーサービスは顧客に感動を与えるべし、という話がよく聞かれる。おもてなしの心を持って、期待されている以上のサービスを提供して顧客を感動させること。それが当該のサービスへのロイヤリティの向上につながると。本書は著者が属しているCEBという経営コンサルティングの会社が行った、ウェブサイトか電話でカスタマーサービスと...

クリスチャン・マスビアウ『センスメイキング』

データさえ見れば何でも分かる、これからはSTEM教育こそ大事、などの単純化されたデータ礼賛、自然科学礼賛の向きに対して、ビジネスにおける人文社会科学の必要性を説いた珍しい一冊。私自身も長く哲学を専攻しつつ、現在はデータ分析の世界の末席に身を置いているので、興味を持った。著者も大学で哲学を専攻している。また、哲学や社会学など人文社会科学系の人々を集めたコンサルティングファーム、ReD Associatesを経営してい...

吉田就彦、石井晃、新垣久史『大ヒットの方程式』

統計物理学に着想を得て、ブログの書き込み数を説明するモデルを作ったという内容。詳しくは付録にあるが、ブログの書き込み数は減衰率、広告投入額(GRP)、書き込み数の一次の項と二次の項を使って、微分方程式で書かれる。映画にや地方イベントについての書き込み数がこのモデルでよく推定できる。このモデルのポイントは二次の項。これは著者の解釈によれば、複数の他のブログからの影響関係を表す間接コミュニケーションの項。...

佐藤弘和、浅野弘輔『ソーシャルメディア クチコミ分析入門』

ホットリンクの人たちによるソーシャルメディアのクチコミ分析入門。ホットリンクはブログやツイッターなどのソーシャルメディアのクチコミ分析ツールを提供している。細かな分析の仕方の解説はホットリンクのツールである「クチコミ@係長」に依存する。概略レベルのものは全般的に通用する記述。具体例も豊富な良書。ソーシャルメディアの特徴としては、情報が残ること、知らない相手同士のコミュニケーションが行われること、情...

山本晶『キーパーソン・マーケティング』

キーパーソンをマーケティングに使うアプローチについて、学術的に分かっていることを中心としつつ、実際のビジネスでどう活かせばよいかを書いている。マーケティングの学術側とビジネス側を架橋するような本。ここでキーパーソンというのは、「オピニオンリーダー」「イノベーター」「インフルエンサー」など様々に呼ばれる、影響力のある人達をまとめた上位概念(p.9, 48-55)。クチコミを広める鍵となる人のこと。こうしたキーパ...

岩崎達也、小川孔輔編『メディアの循環「伝えるメカニズム」』

興味深い一冊。SNSが普及した社会でのヒットの生まれ方を、学術界、ビジネス界の人たちが研究会で議論した結果。特にまとめサイトなどのキュレーションメディアに鍵があるとする。ヒットのモデルを提示。そのモデルを、橋本環奈、ふなっしー、レモンジーナ、ヨーグリーナ、ザクどうふの5つの実際の事例で検証。さらにはエージェントモデルによるシミュレーションを行っている。人々の興味関心が細分化した今日では、マスメディアに...

山口雄大『この1冊ですべてわかる 需要予測の基本』

まさに需要予測の基本を扱った本。よく書けており、需要予測に関連する人なら一度は読んでおくべき本だろう。資生堂で化粧品の需要予測を担当している著者。SCMの観点から、在庫コントロールと絡めて消費財の需要予測について書かれている。予測の技術としてはそこまで高度な数学的なことは書かれていない。何度も繰り返し強調されるのは、需要予測担当者が生産部門、マーケティング部門、営業部門などと密接なコミュニケーション...

マーク・ジェフリー『データ・ドリブン・マーケティング』

良書。きちんとデータを取りつつマーケティングを行っていく方法について詳細に書かれている。著者はノースウェスタン大学のケロッグ経営大学院の人なので、まさにマーケティング研究の牙城の人。以下の15のマーケティング指標を、マーケティング活動の種類に合わせて使い分けることを論じている。ブランド認知率、お試し率、解約率、顧客満足度、オファー応諾率、利益、正味現在価値、内部収益率、投資回収機関、顧客生涯価値、ク...

森岡毅、今西聖貴『確率思考の戦略論』

消費者購買行動の確率モデルを詳細に述べた本。主に、著者たちのP&Gでの経験に基づいている。USJでも広範に利用されているが、テーマパークは消費財とは違う(特に購買頻度や配荷の考え方)。主になっているのはP&Gのほう。端的に書くと、消費者の購買確率は負の二項分布で近似することができるということ。負の二項分布でいう、各試行の成功確率を消費者の好意度preferenceと捉える。好意度は消費者のブランドに対する相対的な好...

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プロフィール

坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。
しかし博士号は取らずPh.D. Candidateで進路変更。
哲学と特に関係なくIT業界に住んでいる。

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