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竹内淳『高校数学でわかるボルツマンの原理』

良書。エントロピーを巡って、熱力学と統計力学の両方の観点から解説している。単なる読み物ではなくて、数式はたくさん出てくる。ボルツマンの原理S=kblogWの導出に向けて、必要最低限の概念を説明している感じ。それゆえとてもすっきりした話になっている。熱力学のパートは類書と変わらない印象。エントロピーはカルノーサイクルにおいて保存される量として熱と温度から定義される(p.106f)。やはり熱力学の範囲では、定義してみ...

都筑卓司『なっとくする熱力学』

熱力学の副読本。とかく熱力学はつかみにくい分野だが、様々な例を挙げて理解を助けようとしている。熱にまつわる現象、物質の三相(固体・液体・気体)について、カルノー・サイクルなどが語られている。カルノー・サイクル以降は流体力学や量子力学などの話が絡んできて発展的であるとともに、話題がややバラバラであるとも見える。水という物質の異常性が何度か強調されていて興味を引く。水はもっともポピュラーな液体のように...

吉田伸夫『宇宙に果てはあるか』

宇宙に果てはあるか (新潮選書)(2007/01/24)吉田 伸夫商品詳細を見る宇宙物理学について書かれた一冊。宇宙の組成や歴史、恒星が輝くメカニズム、ブラックホール、元素はどうやって作られたか、等々の話題を扱っている。それらを数式を使わず、また現在主流となった見方が発展してきた歴史をたどる形で語られている。科学の歴史は単線的なものではなくて、仮説の立案とその検証の繰り返しだ。アインシュタインをはじめ、いかに天才...

中田宗隆『なっとくする量子化学』

なっとくする量子化学 (なっとくシリーズ)(2001/11/16)中田 宗隆商品詳細を見る量子化学の入門的解説書。本の使い方としては、量子化学の初歩の学習の副読本だろう。まったく数式を使わずに学問領域の雰囲気を伝える本ではない。これくらいの数式があったほうが理解はしやすい。この本は日常的な現象を話の枕にしたり、化学ジョークも交えていたりして面白い。量子化学は電子の軌道という考え方を中心にして、原子や分子の結合の仕...

吉田伸夫『素粒子論はなぜわかりにくいのか』

素粒子論はなぜわかりにくいのか (知の扉)(2013/12/05)吉田 伸夫商品詳細を見るタイトルの答えを書いてしまえば、多くの素粒子論の通俗解説では素粒子をピンボールの球のように解説しているからだ。そうした自立した存在として素粒子を描いてしまうと、素粒子が別の素粒子に変わることや、力の担い手としての素粒子というのが理解し難くなる(p.17)。また、こうした描き方は粒子と波動の二重性を謎のままにしてしまう。それは数式を...

筒井泉『量子力学の反常識と素粒子の自由意志』

量子力学の反常識と素粒子の自由意志 (岩波科学ライブラリー)(2011/04/28)筒井 泉商品詳細を見る量子力学における実在性の概念を巡って、平易に書かれた一冊。タイトルに「素粒子の自由意志」という怪しい文言が入っているが、まともな本だ。後述するがこの自由意志とは、決定論的でないということに過ぎない。本書はアインシュタインらの有名なEPR論文を中心として、量子力学における実在性の問題を扱う。EPR論文のポイントを紹介...

野本憲一編『岩波講座 物理の世界 地球と物理の世界〈3〉元素はいかにつくられたか』

岩波講座 物理の世界 地球と物理の世界〈3〉元素はいかにつくられたか―超新星爆発と宇宙の化学進化(2007/09/27)野本 憲一商品詳細を見る超新星爆発を始めとする星の進化と終焉の中で、様々な元素がいかに作られていくかを解説したもの。この本は単独の著者ではなく7人で書かれているので、似たような話が出てきたりもする。核融合によって水素からヘリウム、鉄まで徐々に形成されていく過程、またそれが0.1秒ほどで重力崩壊により...

張紀久夫『岩波講座 物理の世界 物質科学の展開〈8〉光と物質』

岩波講座 物理の世界 物質科学の展開〈8〉光と物質(2003/02/27)張 紀久夫商品詳細を見る光と物質についての80ページほどの短い本。物質は光のエネルギーを受けてエネルギーを吸収したり、また崩壊や様々な原因でエネルギーとして光を放出して変化したりする。マクスウェル方程式をその基本構造を表現するものとして取り上げ、後は様々な現象を扱う。量子論の話はもちろん出てくるが、基本的に数式は控えられている。「物質は電気的...

アイザック・アシモフ『化学の歴史』

化学の歴史 (ちくま学芸文庫)(2010/03/12)アイザック・アシモフ商品詳細を見るかのアシモフが書いた化学史。きれいにまとまっているが、あまりドラマチックなところはない。人名と事項が次々と出てくる。短い本だし、様々なトピックを詰め込んだ感じだ。類書にしてはかなりよく書けていることは間違いないが、今ひとつ面白みはない。自分の興味としては生気論との関わりでのウェーラーの微妙な評価が気を引いた。1828年にウェーラ...

池内了『物理学と神』

物理学と神 (集英社新書)(2002/12/17)池内 了商品詳細を見る物理学において「神」という言葉が使われる文脈を探りながら、物理学の歴史について語る試み。出版社のパンフレットに書かれた連載の単行本化で、気軽なエッセイの乗りで書かれているようだ。そのため、学問的にはかっちりした印象を受けない。自分にはちょっとポイントの分からない本だった。そもそも、この本が扱おうとしている「物理学者の言う神」なるもので著者が何...
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