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鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』

戦時期日本の精神史―1931‐1945年 (岩波現代文庫)(2001/04)鶴見 俊輔商品詳細を見る期待したほどではなかった。カナダのマッギル大学での講義に基づく。日本国外での学生向け講義ノートのため、かなり平易な語り口。逆に言うと、深みが足りない。全体を貫く筋は「転向」についてなのだが、今ひとつ理論的な筋が見られない。そのため、様々な事項が次から次へと散漫に登場する印象を受ける。おそらく日本人向けだったら、もっと深く...

ヨゼフ・シュムペーター『経済発展の理論(上)』

経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉 (岩波文庫)(1977/01)J.A. シュムペーター商品詳細を見るさすが古典。すばらしい名著だ。獲得した財貨を次の生産に回すだけの、通常の循環する経済。経済発展はこの通常のサイクルをうち破る、イノベーションによってなされる。イノベーションは既存のサイクルに使われるはずの財貨を、新たな生産に振り向ける。だからこのとき、既存にはない購買...

大前研一『サラリーマン・サバイバル』

サラリーマン・サバイバル(1998/12)大前 研一商品詳細を見る非常に有名な本。ある知り合いが激賞していたので読んでみたが。私にはあまり資するところはなかった。言っていることはおおむね納得できる。著者の伝記的事項や、仕事に対する姿勢は読んでいて面白かった。しかし、数々の啓発的文章はどうも自分に向けられている感はしなかった。こういう啓発的、「けしかける」本は不思議だ。「自発的に~せよ」と述べるから。他人から...

田中一之編『ゲーデルと20世紀の論理学 (2)完全性定理とモデル理論』

ゲーデルと20世紀の論理学(ロジック)〈2〉完全性定理とモデル理論(2006/10)田中 一之商品詳細を見るシリーズの第二巻だが、これは良質な教科書だ。本書は三部に分かれている。一階述語論理の完全性定理を扱った第一部。モデル論の初歩を扱った第二部。そして、主に内包的文脈に関する言語哲学を扱った第三部からなる。第三部はゲーデルの背景となる論理学史が少し触れられているが、主眼はそこではない。内包的文脈の論理的扱いを...

神野志隆光『古事記と日本書紀』

古事記と日本書紀―「天皇神話」の歴史 (講談社現代新書)(1999/01)神野志 隆光商品詳細を見るなかなかよい本だった。テキストそのものとしての古事記や日本書紀を読んでいこうとする意欲は素晴らしい。ただ、以前の記紀読解に対する批判が勢い余ってしまうところがある。古文を扱う本としては読みやすい。著述の順序が年代を前後するので少し混乱を招きかねないが、最後のまとめがしっかりしているので問題ないだろう。多くの人に薦...

ジョージ・ケナン『アメリカ外交50年』

アメリカ外交50年 (岩波現代文庫)(2000/10)ジョージ・F. ケナン商品詳細を見る素晴らしい本。冷静な状況分析に基づく、透徹した視点。およそ50年前の出来事について書かれた本でありながら、いまでも現実的。本書は米西戦争から二つの世界大戦、そしてベトナム戦争までのアメリカ外交について語る。基本的には批判的な調子。アメリカ外交のなかに、いかに状況離れした考えが入っているかを分析していく。それは法律家的・道徳家的...

南部陽一郎『クォーク』

クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか (ブルーバックス)(1998/02)南部 陽一郎商品詳細を見る去年ノーベル物理学賞を受賞した、日系アメリカ人による本。ブルーバックスではあるが、気軽な気持ちで手に取ると痛い目に遭う。内容はけっこう高度。入門書の体裁の割りには専門的なところまで触れていて、面白いのだが。そもそも話題があまりに多い気がする。もっと絞って、説明に費やした方がよいだろう。特徴は理論の発展史的に...

坂部恵『ヨーロッパ精神史入門』

ヨーロッパ精神史入門―カロリング・ルネサンスの残光(1997/05)坂部 恵商品詳細を見る素晴らしい本だ。読み進むにつれ、驚きの連続だった。こういう本を読むと、自分の視野がいかに狭いかが思い知らされる。講演調であり、あまり詳述はされない。例えば一つのテーマを取り上げてもっと詳述してほしかった。いまはそれも叶わない。日本の思想界にとって大きな損失だ。故人の冥福を祈る。amazonに読書記掲載。-----------------------...

馬場史郎『SEを極める50の鉄則』

SEを極める50の鉄則(2000/04)馬場 史郎商品詳細を見るたまにはこういう本でも。非常に評価の高い名著である。個人的にもなかなかよい本だと思う。抽象論や一般論ばかりだと言う人もいるが、こういう本は具体的に書くわけにはいかない。具体的に書くには、客先の名前や、チームの詳細などを書かなければならないが、それはビジネス上無理というものだ。自分自身が経験して、ここに書かれたものを具体化していく作業が必要なわけだ。...

加藤忠史編『精神の脳科学』

精神の脳科学 (シリーズ脳科学 6)(2008/03/14)加藤忠史商品詳細を見る精神の脳科学。意気込みは買うが、内容は精神疾患の脳科学。内容は以下の通り。前頭葉と人格性。トゥレット障害(チック)。快楽のメカニズム。統合失調症。うつ病。双極性障害(躁鬱病)。PTSD。ナルコレプシー。これらをテーマとして、その症状をもたらす脳神経の機序などについて語られる。どの脳神経系が関わっているのか、またどの遺伝子が関わってい...
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