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松村道一『脳科学への招待』

脳科学への招待―神経回路網の仕組みを解き明かす (ライブラリ脳の世紀:心のメカニズムを探る)(2002/10)松村 道一商品詳細を見る脳科学へのバランスの取れた入門書。なかなかよい。思弁的に過ぎるところもある。最後のペンローズを持ち出してくるあたり。だが、脳科学の基本的事項としてはよく賭けているのではないか。面白かった。特にイオンチャンネルのあたりはすっきりとまとまってよい。リガンド結合型、電位依存型、物理的開...

ステファニー・クーンツ『家族という神話』

家族という神話―アメリカン・ファミリーの夢と現実(1998/03)ステファニー クーンツ芹沢 俊介商品詳細を見る「まるで家庭だけが、職場や市場や政界やマスメディアの完璧な無責任体制から個人を守ってくれる存在のように見える。(中略)彼ら【職場・市場・政界で社会的平等を求める多くの人々】が価値観を維持できないことを家族の危機と呼ぶのは、肺炎を呼吸の危機と呼ぶに等しい。たしかに肺炎にかかればスムーズに呼吸できなくな...

勝本信吾『ポケットに電磁気を』

ポケットに電磁気を (パリティブックス)(2002/10)勝本 信吾商品詳細を見る携帯電話をネタに電磁気学を解説するもの。アンテナと電磁波の話はもとより、コンデンサーとHEMT。バイブレーターではコイルと磁気の話。また、液晶画面と偏光の話。高校生が対象のようだが、高校生にはきついだろう。著者もちょっと書いているが、理系の大学2年生あたりが適当かと思われる。私自身は、磁場の位置エネルギーのような、ベクトルポテンシャ...

上山安敏『宗教と科学』

宗教と科学 ユダヤ教とキリスト教の間(2005/07/22)上山 安敏商品詳細を見る重厚な一冊。ずいぶんと大きく構えたタイトル。内容は、ワイマール期ドイツにおける、(主に)プロテスタントとユダヤ教の思想的関わりについて。相当に錯綜していることが予想される、困難なテーマである。タイトルの「科学」は自然科学のことではないだろう。おそらく、あの「精神科学Geistwissenschaft」のことだ。基軸となるのは、聖書解釈学である。...

奥谷喬司『イカはしゃべるし、空も飛ぶ』

イカはしゃべるし、空も飛ぶ〈新装版〉 (ブルーバックス)(2009/08/21)奥谷 喬司商品詳細を見るイカについて。これは面白い本だ。まさにイカについてのすべてが書かれている。驚くことも多い。発光体で仲間にシグナルを送っているとか。生殖についても興味深いことばかり。ある意味、ここまで面白い本はなかなかない。...

野中郁次郎『企業進化論』

企業進化論―情報創造のマネジメント (日経ビジネス人文庫)(2002/02)野中 郁次郎商品詳細を見る名著。企業は単に環境に変化に対応しているのではない。内発的に情報を、あるいは著者の後年の言葉を使えば知識を生み出していく。そのように知識を生み出していける企業の形態を分析。様々なリズムの発想を生み出す企業文化に焦点を当てる。個人的には前半の学説史的なところがとても参考になった。経営学の理論もあまりなく、フォード...

マルコ・イアコボーニ『ミラーニューロンの発見』

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ新書juice)(2009/05)マルコ イアコボーニ商品詳細を見る話題の本。とても良い本だ。ミラーニューロンについて、それを巡る実験を様々に紹介。また、ミラーニューロンこそ対人関係の基礎となっているとして、そこから様々な対人関係を見つめ直す。例えば、共感、自我の成立、自閉症とその治療、模倣暴力(メディアによる暴力的場面の流布が実際に暴力行為を生...

竹内洋『学歴貴族の栄光と挫折』

日本の近代 12 学歴貴族の栄光と挫折(1999/04)竹内 洋伊藤 隆商品詳細を見る相当に面白い。文句なしに素晴らしい本だ。印象的なエピソードを豊富に交えながら、そこに生きた人々の文化を鮮やかに描いていく。かといって印象論に流されるのを警戒する。必要なところは社会統計データで論拠を示し、分析していく。付録で付いてる月報で猪瀬直樹氏と対談して、こう語っている。「いつも学生たちに猪瀬さんの本を読んで技法を学びなさ...

ロバート・シュック『新薬誕生』

新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち(2008/07/04)ロバート・L.シュック商品詳細を見る原題は『奇跡の薬 命を救った7つの薬とそれらを創った人々』。大きなブレイクスルーをもたらした7つの新薬と、その開発秘話を追ったもの。薬学の教育を受けていないジャーナリストが書いたものだが、内容的にもしっかりしているらしい(訳者解説による)。ここでいう7つの薬は、ノービア(抗HIV薬)、セロクエル(統合失調症・双極性障害の...

西成活裕『渋滞学』

渋滞学 (新潮選書)(2006/09/21)西成 活裕商品詳細を見るかなり面白い。自己駆動粒子(self-driven particle)の振る舞いについて。粒子として見た場合、例えば人の動きはニュートン力学の基本原理では捉えにくい。自分で勝手に運動方向を変えたりするので、慣性の法則がそのまま適用できるわけでもないし、運動方程式を解いて一定時間後の位置が予測できるわけでもない。しかし無秩序なわけでもない。ではどうやって捉えるのか。著者...
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