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朝永振一郎『鏡の中の物理学』

鏡の中の物理学 (講談社学術文庫 31)(1976/06/04)朝永 振一郎商品詳細を見る「鏡のなかの物理学」「素粒子は粒子であるか」「光子の裁判」の三つを収録。どれも素粒子物理学の話題を易しく書いたもので、その文章力は素晴らしい。名著と言われるものだけはある。「鏡のなかの物理学」はCPT不変性の解説。左右の交換P、粒子と反粒子の交換C、時間の向きの交換Tを行えば、粒子の運動とその逆の運動は同じ運動法則に従う。あまりよく...

井筒俊彦『意識と本質』

意識と本質―精神的東洋を索めて (岩波文庫)(1991/08)井筒 俊彦商品詳細を見る名著。イスラム哲学や中国思想、日本の仏教思想について、西洋哲学的な枠組みを用いて解明しようとする。その手法に「共時的構造化」という名前が付いているが、要するに歴史的な展開を追うのではなく、ある概念を中心として様々な思想を取り集めてくる。もちろん、そうすることで細部が失われることがあるだろうが、その思想の圏域だけに留まったのでは...

スコット・バーキン『アート・オブ・プロジェクトマネジメント』

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)(2006/09/07)Scott Berkun商品詳細を見る名高い著作。プロジェクトマネジメントの各場面で考えるべきことが、わかりやすく提示されている。ポイントがまとめられていてチェックリストにもなる。章末にはサマリーがあるので、時折読み返して自分の行動の適否を判断する助けになる。400ページ強あるがどうも読んで感銘を受けるもので...

永沢光雄『AV女優』

AV女優 (文春文庫)(1999/06)永沢 光雄商品詳細を見るインタビュー集。複雑な家庭環境や生活環境などが語られる。ときおり現れる、インタビューア側の素朴な感想が面白い。武勇伝に絶句したりとか。幼少期に親が離婚したり、家庭に問題を抱えていた人が多いような気がする。しかしそういう捉え方は、こういった人たちをあくまで特殊なものと扱い、特殊な状況へ還元しようとする試みでもある。ふと目に入ったこの本を手に取ったのは...

ナシーム・タレブ『まぐれ』

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか(2008/02/01)ナシーム・ニコラス・タレブ商品詳細を見るさすが評判の高い本。そうとうに面白い。人間はよく単なる偶然であるものに、何らかの相関関係や因果関係を設定してしまう。またあるいは、確率的には低いのに目先のリターンだけに惑わされたりする。つまり、原題のように「偶然にだまされる fooled by randomness」。主に自身のトレーダーとしての経験と、カーネマンなどの行...

山下純一『グロタンディーク』

グロタンディーク 数学を超えて(2003/10/10)山下 純一商品詳細を見るスキームやトポスといった概念を使って、数学を根本的に書き直した天才的数学者グロタンディークの評伝。もうちょっと面白いかと思ったが、やや期待はずれの感もあった。伝説が多く、また出生についてよく分かっていないところが多い人なので、様々な情報をきちんと整理して信頼の置ける叙述をしているのはとても好ましい。数学の内容にはほとんど踏み込んでい...

田中克彦『チョムスキー』

チョムスキー (岩波現代文庫)(2000/12)田中 克彦商品詳細を見る毀誉褒貶の激しい一冊。言語学におけるチョムスキーの革命的仕事について、その流れとは違う流れに属する言語学者による評価。同じ言語学者とはいえ、内在的批判ではない。また批判の調子がかなり強いところもある。チョムスキー信者からすればかなり反発を覚えるだろう。言語学とは関係ない自分でも、言いがかりに近かったり、強引と覚えるところに出会った。特に後...

リチャード・ヒックス『経済史の理論』

経済史の理論 (講談社学術文庫)(1995/12/04)J・リチャ-ド・ヒックス商品詳細を見るこれはかなり難しい。市場経済がいかに広まっていったかについて。タイトルが示すとおり、経済史の理論であって、経済史ではない。著者は理論経済学の大家で、歴史家ではない。市場経済が発展してきた理念的モデルを提示する本だ。もちろん実際の歴史的事項はふんだんに出てくるけれども、それらは理念的モデルの例証としてである。この本に対して...
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