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奥村宏『企業買収』

企業買収―M&Aの時代 (岩波新書)(1990/04/20)奥村 宏商品詳細を見る企業買収とその防衛に関するいろいろな手法が書かれているのだろうと思って読んだが、著者の意図はそれよりも大きなところにあった。著者は、日米の企業買収に対する動向を解説しながら、それが示していることは資本主義が「死に至る病」に取りつかれていることだ、と指摘する。つまり、株式会社というシステムは終焉の時を迎えようとしている、と(p.215)。現状に...

湯浅泰雄『古代人の精神世界』

古代人の精神世界 (1980年) (歴史と日本人〈1〉)(1980/11)湯浅 泰雄商品詳細を見る「日本人らしさ」として語られるものがある。慎ましさであるとか、律儀さであるとか、自然への愛好であるとか。当然ながら「日本人」なるものが歴史を超えて存在したわけではない。日本人なるものは歴史の中で成立してきたものであり、日本人らしさと言われるものもそうだ。ところが、このことは実はそんなに自明なことではない。「日本人らしさ」...

後藤明・山内昌之編『イスラームとは何か』

イスラームとは何か(2003/08)不明商品詳細を見るイスラームに関する様々なトピックを、一項目2ページあたりにまとめたもの。核となる宗教や思想から始まり、歴史、政治・経済・社会、地域、生活・文化について記されている。各項目ともかなり簡潔にまとめられているので、物足りない。また、多くの著者による執筆のため、記事のレベルには差がある。各トピックの取っ掛かりをつかむには使える本だろう。日本からのイスラームは古...

モートン・デービス『ゲームの理論入門』

ゲームの理論入門 (ブルーバックス)(1973/09/30)モートン.D・デービス商品詳細を見るゲーム理論の一般向け解説書。原著は1970年刊なので、だいぶ古い本だ。一人ゲーム、完全情報の有限二人ゼロサムゲーム、不完全情報の有限二人ゼロサムゲーム、効用関数についてのコメント、二人・非ゼロサムゲーム(囚人のジレンマ)、そしてn人ゲームについて取り上げられている。自分にはあまり良い本ではない。数式を用いず、様々なゲームを...

末木文美士『仏典をよむ』

仏典をよむ―死からはじまる仏教史(2009/04)末木 文美士商品詳細を見る面白い本だ。中国および日本の古典的な仏典を順次取り上げて、その解説を試みたもの。だが、当該の仏典を経典とする宗派の解釈には囚われないし、よくある仏教史での理解にもこだわらない。著者の狙いは「仏典を従来の固定観念から解き放ち、今日に生きる思想書として」(p.2)読むことだ。もちろん取り上げられる仏典は現代から遠く離れた時代のものであるから、...

ジョン・ダービーシャー『素数に憑かれた人たち』

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~(2004/08/26)John Derbyshire、松浦 俊輔 他商品詳細を見るこれは非常に面白い。最高。リーマン予想、つまりヒルベルト23問題の中で唯一未解決である(p.448)この問題は、現在では量子力学との関わりなど非常に高度な数学を用いる。だが当初は自然数における素数の分布に関する問題で、それがかくも大きな広がりを見せている。著者はこの数論と解析の接点をとてもうまく描いていると...
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