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森毅『数学の歴史』

数学の歴史 (講談社学術文庫)(1988/09/05)森 毅商品詳細を見る数学史の本だが、数学そのものはあまり出てこない。時代を飾った数学者と、その歴史的背景の話が中心となる。数式も含め細かい数学的内容は出てこないので、どうも何を言わんとしているのか門外漢にはつかみにくい本だった。読む側の知識とセンスを必要とする本だ。逆に言えば、多少なりとも知っている事柄については、著者の取っている見取り図や枠の意義などを把握す...

ロジャー・プレスマン『実践ソフトウェア工学〈第3分冊〉オブジェクト指向ソフトウェア工学/ソフトウェア工学の進んだ話題』

実践ソフトウェア工学〈第3分冊〉オブジェクト指向ソフトウェア工学/ソフトウェア工学の進んだ話題(2000/10)ロジャー・S. プレスマン商品詳細を見る三分冊目は主にオブジェクト指向を用いることによる、ソフトウェア開発への影響について。オブジェクト指向を開発に使うと言っても、単にどのプログラミング言語を使うという話ではない。オブジェクト指向を用いるとシステムの分析や設計、テスト、品質メトリクスについての観点が変...

キラン・スリニヴァス『外資系企業がほしがる脳ミソ』

外資系企業がほしがる脳ミソ―採用試験の定番! 問題解決力を試す60問(2007/09/14)キラン・スリニヴァス商品詳細を見る「脳トレ」とか言われるたぐいの問題を60問集めたもの。けっこう面白く読んだ。回答でときに示される鮮やかな発想には、息を飲むものもあった。こういう問題、どこかで見たことがあるなと思ってたら、難関私立中学の数学の入試問題がこれだ。ただし本書に出てくる問題は確率や数列の収束とかの概念を必要とするも...

ジェラルド・エーデルマン『脳は空より広いか』

脳は空より広いか―「私」という現象を考える(2006/12/01)ジェラルド M. エーデルマン、冬樹 純子 他商品詳細を見る神経科学者による意識論。結論から言えば、神経細胞群選択説(Theory of Neuronal Group Selection; TNGS)によってその成立が説明される、脳の視床-皮質系の双方向の結合(ダイナミック・コア; p.90)が意識の神経学的基盤であり、意識とはこのダイナミック・コアの活動の「特性」(p.165)であり、クオリアとは神経プ...

マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策(2008/09/20)マーク・コゼンティーノ商品詳細を見る実際に必要なので読んだのだが、そうでなくてもこれはかなり面白い。経営戦略の初期分析としてどのようにアプローチするのか、なるほどという印象。...

ジャン・ジャック・ルソー『人間不平等起原論』

人間不平等起原論 (岩波文庫)(1972/01)J.J. ルソー商品詳細を見る250年ほど前の本だがいま読んでもかなり面白い。皮肉や風刺に溢れているところもあり、読み手のスタンスによって様々な印象をもたらすだろう。それでこそまさに古典。文明批判や自然保護運動などの思想的源流の一つ、思考パターンの一つとしても分析に値する。ただし邦訳は学術翻訳で読みにくい。関係節の訳し方が直訳に近く、もっと何とかならないものか。ルソーは...

網野善彦『日本社会の歴史(下)』

日本社会の歴史〈下〉 (岩波新書)(1997/12/22)網野 善彦商品詳細を見る室町政府の成立から江戸幕府の成立まで。17世紀以降も一応、第二次世界大戦後まで記述はあるが、簡略的であるしそれまでの記述と比べてこなれていない。著者も言うようにそちらはかなり駆け足の記述なので、実質的に扱われている時代は江戸幕府の成立までと考えてよいだろう。一貫して著者を導いている日本に関する歴史観は「日本列島の社会が決して斉一でも均...

内田和成『仮説思考』

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法(2006/03/31)内田 和成商品詳細を見る多くの気づきを与えてくれるよい本だ。著者がここで仮説思考と読んでいるのは、不十分なデータの下でもとりあえず仮説を立ててみる、という手法だ。演繹的思考や帰納的思考を行うには、それなりのデータが集まっている必要がある。だが、あてどもない情報収集に基づく思考(「網羅思考」と著者は呼ぶ)は効率が悪い。時間の限られた中ではこうしたやり方...