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森茂暁『後醍醐天皇』

後醍醐天皇―南北朝動乱を彩った覇王 (中公新書)(2000/02)森 茂暁商品詳細を見る本書は後醍醐天皇の幼少期から歩みを追いながら、その政治志向について読み解いている。鎌倉幕府の討幕に向けて彼は執念を燃やすわけだが、その動機がどこから生まれてたのか。そして天皇専制という建武政権のアイデアはどうやって成立したのかを書いている。討幕志向の中心に据えられているのは「一代の主」の克服である。後宇多上皇はその長子である...

本郷和人『天皇はなぜ万世一系なのか』

天皇はなぜ万世一系なのか (文春新書)(2010/11)本郷 和人商品詳細を見る「はじめに」の軽い調子で不安になったが、どうもこの人の書くものは自分には合わないようだ。この本は歴史研究の息遣いを伝えるよりは、軽いタッチで書かれている。ときおり読者の興味をひこうとするような小ネタや脱線があって自分にはどうも読みにくい。タイトルからは天皇と万世一系について書かれていると思われるが、それは違う。万世一系の話は最後の...

高橋信也『PMO導入フレームワーク』

PMO導入フレームワーク ~プロジェクトを成功に導く、人・組織・プロセス・ツール~(2010/07/27)高橋 信也商品詳細を見るPMO(Project Management Office)とは何で、どういう役割を担うものであり、どういうパターンがあり、どう運営されるかについて書かれたもの。組織、プロセス、人、ツールの4つの観点から書かれており、きちんとまとまっているが現場で培われた深い知識を伺わせる。特にPMBOKの各エリアに準拠する形で、ケ...

森茂暁『建武政権』

建武政権――後醍醐天皇の時代 (講談社学術文庫)(2012/06/12)森 茂暁商品詳細を見る後醍醐天皇の建武政権について、その成立と政治機構を扱ったもの。博士論文が元になっているので研究文献の色合いが強く、細かな議論が多い。細部への関心が自分にはあまりないので、ちょっとポイントの分からない議論が多かった。正中の変における失敗要因として、後醍醐天皇の周辺での儒学の流行と、それに乗った若手急進派の存在が挙げられている...

本郷和人『天皇はなぜ生き残ったか』

天皇はなぜ生き残ったか (新潮新書)(2009/04)本郷 和人商品詳細を見る天皇家はなぜ残ってきたのかという疑問に対して答えようとする、かなりの意欲作だと言える。天皇家が残ってきたのはなかなか不思議である。平安時代後期には藤原氏をはじめとする貴族に実権はあって、天皇はほぼお飾りにすぎない。武家政権になってからはなおさらそうである。江戸時代として戦乱の世が終われば権威付けとしての天皇すら不要である。むしろこう...

西川善文『ザ・ラストバンカー』

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録(2011/10/14)西川 善文商品詳細を見るSMBCの頭取および日本郵政の社長を勤めた西川善文氏の回顧録。巷で半澤直樹が話題になっていた時、融資課で不良債権と格闘し、上司との対立をも辞さないその姿勢を見ていたら、この人のことを思い出した。実際の半澤直樹のモデルはBTMUの将来の頭取候補と呼ばれる有力者らしいが。この回顧録はいつか読もうと思っていたので、ちょうどよいきっかけになった。...