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兼本浩祐『心はどこまで脳なのだろうか』

心はどこまで脳なのだろうか (神経心理学コレクション)(2011/05/01)兼本 浩祐商品詳細を見るとても面白い。癲癇を専門に扱う精神科医が精神病に関する現在の脳科学的成果を踏まえつつ、そうしたアプローチでは見えないものについて論じている。話題は認知における再認と、通時的な自我という主体に及ぶ。脳科学や精神医学のテキストが登場するのはもちろん、哲学(特に現象学と心の哲学)やフロイト的な精神分析学の知見が多く動員...

小浜耕己『基礎から学ぶプロマネ技術 必携マニュアル』

基礎から学ぶプロマネ技術 必携マニュアル(2010/06/17)小浜 耕己商品詳細を見るプロマネ初心者向けに、その心持ちや目を配るポイントなどを場面ごとに書いた本。プロマネの判断が分かれる場面を具体的に小説仕立てで書いていて、イメージしやすい。また失敗例を中心に扱っていることがポイント。ベストプラクティスを書く本は多くあるが、落とし穴をきちんと書く本は少ない。重要なのは後者だ。考えるべきポイント、アプローチ、目...

フェルナン・ブローデル『地中海〈1〉』

地中海〈1〉 (藤原セレクション)(1999/01)フェルナン ブローデル商品詳細を見る原著は一冊だが、この翻訳は10巻からなっている。第一巻から読みだしたが、きわめて面白い。本巻は地中海の地理的プロフィールと、それらが地中海で織り成される歴史に与える影響を扱っている。こうした地理的な視点はブローデルに特徴的なもの。地理的要因がもたらすプロセスは数世紀に渡る。こうした長期の、緩慢な運動の機器や絶頂にだけ関心を示す...

野里紳一郎『イタリア語のしくみ』

イタリア語のしくみ《新版》(2014/02/08)野里 紳一郎商品詳細を見るイタリア語の発音・文法について平易に記した入門書。基本的な発音、名詞の性、形容詞の語尾変化とかかり方、動詞の変化、未来形と近過去・半過去と命令法、「てにをは」としての形容詞と冠詞との縮約形など。このシリーズは他にも読んだが、接しやすく書いてあるので読みやすい。ただ、様々出てくる文法事項は一覧にされていたりしないので、知識のまとめとして...

梅屋真一郎『マイナンバー制度で企業実務はこう変わる』

マイナンバー制度で企業実務はこう変わる(2014/09/25)梅屋 真一郎商品詳細を見る2014年9月刊。マイナンバー制度の導入によって民間企業に及ぶ影響について。新規性のある情報は無かった。内容のまとまりや対応のフローなどが載っている点からして、同著者の『人事・総務のためのマイナンバー制度』を読んだ方がよい。後者の本があることからすると、本書はあまり意味をなさない。...

新井紀子、新井敏康『計算とは何か』

計算とは何か (math stories)(2009/10/07)新井 紀子、新井 敏康 他商品詳細を見るおそらく高校生か大学生くらいを想定読者として書かれた数学の読み物。主眼は計算とは何かを考察することを通じて、日頃学んでいる数学がそれぞれどう関連しているかのイメージを与えることにある。そして計算可能性の理論へ誘う。理論と計算は違うという冒頭に出てくる議論(p.vi)は面白くて、最初の動機付けとしてよい。数記号の意味はよく分かっ...

坂部恵『モデルニテ・バロック』

モデルニテ・バロック―現代精神史序説(2005/04)坂部 恵商品詳細を見る近代性(modernité)とバロックをキーとした論文集。この対概念を中心としつつ、様々な思想について語った論文を集めている。ある程度の基調は感じられるが統一感は無い。晩年の著作でもあることから、一つのテーマについて詳細な展開がするのではなく、個々のトピックについて大きな流れを示すような記述が多い。著者としては問題の所在や方向性を示すことに眼目...

フェルナン・ブローデル『歴史入門』

歴史入門 (中公文庫)(2009/11/24)フェルナン・ブローデル商品詳細を見る邦題にはかなりの違和感がある。原題を訳せば『資本主義を動かすもの(La dynamique du capitalisme)』。この本はブローデルの『物質文明・経済・資本主義』という大著の概要や考え方を簡潔に提示した本だ。話は『物質文明・経済・資本主義』で扱われたトピックに限られており、例えばE.H.カー『歴史とは何か』のように、歴史そのものについて大構えで論じ...

坂部恵『仮面の解釈学』

仮面の解釈学(2009/10)坂部 恵商品詳細を見るポストモダンのフランス哲学の影響を受けながら、仮面をキーワードにして著者自身の哲学を試みたもの。同時期の『理性の不安』のカント論と対をなす。この本は著者が後年やるような日本語の語源探索を絡めた概念展開がなされる。しかし若書きであるからか、まだ論理的で読みやすい。とはいえ、デリダなどのフランス現代思想の影響がかなり大きくうかがえる。仮面、<おもて>と言われる...

梅屋真一郎『人事・総務のためのマイナンバー制度』

人事・総務のためのマイナンバー制度 (労政時報選書)(2014/12/17)梅屋 真一郎商品詳細を見るマイナンバーの情報には多く接してきたが、ようやく具体化してきた感じ。この本は2014年10月末の情報を基にしている。民間企業側の一員として制度設計にかかわっている人の書いた本。民間企業の対応として求められるものについて信頼が置ける記述になっている。民間企業といっても、記述の主な対象は金融機関以外の個人番号関係事務実施者...