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圏論の歩き方委員会『圏論の歩き方』

圏論の歩き方圏論についての本。この本は圏論の入門書ではないし、圏論の研究本でもない。純粋な圏論研究者以外の人たちが集まり、圏論の使われ方について語ったもの。圏論はそれ自体だと抽象的で、何をやっているのか分からなかったりする。もともと(出自は代数幾何学が多いが)何らかの数学的構造があって、それを抽象化した結果として圏論ができている。そして抽象化が一度なされれば、似たような構造が他の分野にも発見される...

トマ・ピケティ『21世紀の資本』

21世紀の資本言うまでもない名著。資本主義は自動的に経済格差を生み出す仕組みを内包している、というテーゼを歴史的に跡付けたもの。何よりもこの本が凄いのは、ろくな統計データもないような過去のデータをなんとかひねり出しているところ。本書ではそうしたところはすべてオンライン補遺にされている。実はこのデータの揃え方にかなり恣意が入っているだろう、というのは本書に向けられる典型的な批判の一つ。経済理論はいつも...

森岡毅『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?非常に面白い一冊。マーケティングの現場から、アイデアをいかに生み出し、それをいかに実現していくか。P&GからUSJのマーケティング担当者として転職した著者。著者が入社した2010年頃のUSJは当初の勢いを失っていた。年間入場者数は低迷。社内の雰囲気も守りに入るものだったという。著者はマーケティングの専門家としての戦略立案と、それを実現する強い熱意をもってUSJを変...

高橋俊介、内田和成編『プロフェッショナルの鍛え方』

BBTビジネス・セレクト10 プロフェッショナルの鍛え方 (BBTビジネス・セレクト)コンサルティングファーム出身の起業家を追ったもの。最初に大前研一氏がマッキンゼーでの人材育成の指針を書いている。問題解決能力、経営者的思考、業種横断的視野の三つの要素をトレーニングし、30代で経営人材となるというもの(p.33)。その後の5分の4程は、マッキンゼー、BCG、アンダーセンコンサルティング(アクセンチュア)出身の起業家のイ...

丸山耕二『無料でできる!世界一やさしいGoogleAnalyticsアクセス解析入門』

無料でできる!世界一やさしいGoogleAnalyticsアクセス解析入門物語仕立てで解説する、Google Analyticsの使い方。分かりやすさはまあまあ。まずは自分のサイトのどこに問題があるのか、どのステップで集客が落ちているのかを分析。その後、広告の効果分析やA/Bテストなど、さらに伸ばしていくための攻めのアクセス解析を解説している。前半を通じてずっと出てくる「成約数」という言葉に混乱してしまった。これはたぶんconversion ...

中岡悦司『ITエンジニアのための機械学習理論入門』

ITエンジニアのための機械学習理論入門猛烈に面白い。「ITエンジニアのための」と付いているが、これは本書の内容をpythonで書いたコードが利用可能だから。本を読む上でpythonを理解している必要は特にない。むしろ本の内容は、機械学習で使われるアルゴリズムの数学的内容を真っ向から解説したもの。必要なのはIT系の知識ではなく、解析、線形代数、統計学の初歩知識。「ITエンジニアのための」と付いていることが読者層を限定し...