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ヤンミ・ムン『ビジネスで一番、大切なこと』

競争相手を無視せよと言っているのではない。消費者と同じ目で見ることが重要なのだ。消費者の目にはぼんやりとカテゴリー全体が見えるだけで、個々のブランドは映っていない。この不鮮明さから抜け出すこと。それが「違っている」ということなのだ。(p.161)なぜこんな凡庸な自己啓発本みたいなタイトルを付けてしまったのだろう。このタイトルのせいで本書は埋もれてしまっているように思われる。原題を訳せば「違い 競争する群...

三宅陽一郎『人工知能のための哲学塾』

生物は、自分の視点から離れた客観的な視点から世界をとらえて行動しているのではありません。生物は主観を通して、自分自身の視点や取捨選択した情報を通して行動を形成します。ですから、人工知能を外側から構築する、つまり、製作者の神の視点から構築したとしても、それは精緻な操り人形以上のものにはならないのです。人工知能に知能を与えようとすれば、その人工知能から見た世界を構築することが本質なのです。(p.285)ゲー...

宮本正興、松田素二編『新書アフリカ史』

新書だが600ページ近くある。主にサブサハラ(サハラ砂漠より南の地域)のアフリカの、先史時代から現代までを扱ったもの。10名以上の著者による、多面的な記述。アフリカについて考えるに際し、基礎的な知識と考察の軸を与えてくれる良書。アフリカの歴史の記述は困難を極める。通常のアフリカ史は人類が登場した約150万年前がまず書かれる。ところが、その次はヨーロッパ人がアフリカを探検して、植民地支配を始める19世紀末まで...

足立紀子『ゲルギエフ」

ロシアの現在のクラシック音楽界を牽引する指揮者、ヴァレリー・ゲルギエフについての本。本というよりは、60ページ強のブックレット。ゲルギエフの生まれからの評伝と、本人インタビューから見える音楽観が書かれている。ゲルギエフは生まれはモスクワだが、成長期を北オセチアのウラジカフカスで過ごす。自身のアイデンティティはロシア人ではなく、オセット人。スケールが大きく堂々としたその音楽は、たしかに北オセチアの険し...

伊藤直也、田中慎司『[Web開発者のための]大規模サービス技術入門』

はてなのインターンシップの講義資料。大規模なWebサービスをいかにして運営するかを解説している。大規模とは、月間アクセス数が数十億、物理サーバーが500台以上。グーグルやフェイスブックの超大規模サイトとは異なる。インターンシップの講義録だからか、基礎レベルからきちんと解説しているし、実践的で面白い。2010年の本なので、この分野ではすでにやや古い本かもしれない。例えば利用しているクラウドサービスはAWSのCDNで...

グロービス『ストーリーで学ぶマーケティングの基本』

ストーリーで実際のマーケティング上の判断が求められる状況を示しつつ、マーケティングの基本について書いた本。5つのストーリーがあり、5章からなっている。マーケティングの基本とはいえ、ポジショニングや4Pといった伝統的なマーケティングについては前半の二章を当てるのみ。後半の三章は、顧客インサイトを探り顧客深層心理に基づく商品化、SNS等ネットでのコミュニケーション、イノベーションによるビジネスモデルの創出...

岩波データサイエンス刊行委員会『岩波データサイエンス Vol. 1』

買った当初は難しそうだと思って本棚にしまっていた。取り出して読んでみたら案外に読めた。内容はベイズ推論とMCMCの解説。ベイズ推論の基本的な理解、MCMCを扱うソフトウェアの比較、ベイズモデルの四つの表現方法について。薄い本なので解説はそこまで詳細ではない。むしろ、ベイズ推論やベイズモデルの考え方の要点を伝えようとしている。雰囲気を知るにはなかなかよいかと思った。階層ベイズの解説(p.20-37)はとても良い。こ...

岩村充『中央銀行が終わる日」

ビットコインを初めとする仮想通貨と、それが普及した際に通貨の管理者としての中央銀行はどのように役割が変わるのかというテーマを追っている。ビットコインと金融政策という、どちらもそれ自体でなかなか難しい話題。それに加えて、ありうる未来の話をしているため、どういう社会なのか想像力が求められる。ビットコインにまつわる暗号理論などの技術的なレベルは高くない。ただマクロ経済学の用語が多く、読み手にある程度のレ...
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