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ジョージ・エインズリー『誘惑される意志』

意志の弱さについて。後々の影響を考えれば明らかに行わないほうが良いのに、なぜ目先の誘惑に負けて行ってしまうのか。そうした誘惑に負けない仕組みとしての「意志」とは何か。意志を持つことの進化的意味合いは何か。意志が強いことは本当に良いことづくめなのか。本書はこうした話題に、双曲線割引という単純な論点を基にして、実に広範囲な議論を展開する。議論が広範囲に渡ることもあり、経済学、社会学、行動心理学、生物学...

納富信留『哲学の誕生』

ソクラテスについて。プラトンの対話篇に現れれるソクラテスを中心に書くのではなく、同時代においてソクラテスがどう捉えられていたのかを中心に据える。ソクラテスと言えばプラトン、アリストテレスと並んで古代ギリシャの偉大な哲学者。しかしその偉大さは後世の評価。その後世の視点からソクラテス、プラトン、アリストテレスを評価しても、それは彼らを巨人として扱ってきた西洋哲学の伝統から見ること。よって、結局は巨人と...

和田秀樹『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』

内容はタイトルの通り。9つの習慣は、(1)とにかく動く、(2)できることだけやる、(3)他人に頼る、(4)計画しない、(5)休む、(6)失敗してみる、(7)感情にしたがう、(8)真似する、(9)法則をみつける。世の中に完全に予測できることはなく、つねにあらゆることはリスクを伴っている。しかしリスクを気にしてばかりでは前に進めない。前に進めなければ、何の結果も得られない。リスクに対しては適切に損切りをすることにより、完全では...

マイケル・ガザニガ『脳のなかの倫理』

脳神経科学者が生命倫理の問題について語ったもの。脳神経科学はその発展によって、意識、人格、知能といった領域に示唆を与えつつある。著者の主張するところ、これからの生命倫理はそうした脳神経科学の結果を踏まえていかなければならない。著者は脳神経倫理学を、病気や正常、死、生活習慣といった、人々の健康や幸福に関わる問題を、土台となる脳メカニズムの知識に基づいて考察する分野としている。脳神経倫理学は治療法を模...

岩波データサイエンス刊行委員会編『岩波データサイエンス Vol.5』

本巻はスパース性について。データ量に比べてパラメータ数が多い場合、そのままでは学習が難しい。データがスパースである場合、L1ノルムを用いた罰則項を入れるなどのテクニックにより、学習が可能になる。逆に、データ量がパラメータ数に比べて小さいと、学習率を一つに固定して選択されるパラメータは実際とは異なる誤った結果になる可能性が高くなる。この場合、回帰分析は容易ではない(p.24f)。スパース性といっても様々な場...

森三樹三郎編訳『墨子』

森三樹三郎による編訳。原文は掲載されておらず、訳文のみ。墨子は春秋戦国時代は儒教と並ぶ隆盛を誇ったが、衰退。散逸したテキストが集められたのは清朝になってからという。そのため、テキストの重複、欠損、意味不明な箇所も多い。どう見ても墨子の時代より後に書かれたものが、墨子に帰せられているものもある。訳者は墨子の思想の特徴をよく表すテキストを選出し、訳出している。墨子の思想と言えば兼愛交利。国の治安が乱れ...
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