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能町光香『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』

優秀な秘書が書いた、相手を配慮するスムーズなやり方が載っている。一貫したメッセージは、相手を尊重すること。たとえ気遣いを発揮しても、相手の求めている方向と一致していなければ気遣いとして成立しない(p.12f)。大げさなことをやる必要はなくて、ちょっとした小さなことを適切なタイミングで積み重ねることが大事(p.32-37)。とはいえ、この相手を尊重することとはどういうことなのかはいま一つ分からない。遠慮してしまった...

ピエール・バレ、ジャン・ノエル・ギュルガン『巡礼の道 星の道』

フランス人ジャーナリスト2名による、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの聖地巡礼について。著者自身もフランスのヴェズレーから1700kmの巡礼行を50日かけて行っている。その過程の日誌は本文ではなく、巻末に補遺のように収められている。本文にはおおむね12~18世紀の文献から、巡礼を行った人々や、巡礼行の経由地の様子について書かれている。私にとって面白かったのは著者たちの日誌のほうだった。これは1977年に行われて...

大泉陽一『未知の国スペイン』

スペインの中でも独自の文化をもつ、バスク、カタルーニャ、ガリシアについて。歴史や教会文化、食文化などが簡潔に記されている。著者はスペイン在住の経済系の研究者だが、本書はもともとその父親の記した本の改訂だそうだ。バスクについては、その過激な独立運動もあって単書がいくつか見られる。カタルーニャは人気都市のバルセロナを含んでいるため、数多くの本がある。ガリシアはかなりマイナーな方。サンティアゴ・デ・コン...

坂本俊之『人工知能システムを外注する前に読む本』

ディープラーニングとはどういうもので、ディープラーニングを使ったシステムを開発しようとしたらどのような点に気をつける必要があるかを書いている。著者はスマホアプリ等を作ってきた開発者のようだ。こういった課題はコンサルティング会社を中心に多く扱われているが、本は少ないので面白い試みか。ディープラーニングについての解説が半分以上を占めている。ビジネスサイドの初心者がサーベイしておくべきレベルの話が続く。...

岩根圀和『物語 スペインの歴史 人物篇』

スペインの歴史から6名を選び、ちょっとした歴史小説タッチでその人物の特徴的なシーンを描く。対象は騎士エル・シド(ca.1043-1099)、女王フアナ(1479-1555)、聖職者ラス・カサス(1484-1566)、作家セルバンテス(1547-1616)、画家ゴヤ(1746-1828)、建築家ガウディ(1852-1926)。フアナでは城に幽閉される様子、ラス・カサスはセプルベタ博士との討論の様子。セルバンテスはちょっとひねって共同住宅で起こった傷害事件の様子。ガウデ...

坪井祐太、海野裕也、鈴木潤『深層学習による自然言語処理』

文句なく素晴らしい名著。内容は本の題名そのまま。この分量でここまで分かりやすく書けるのは脱帽。最近の自然言語処理に関する主に理論面の解説。抽象的なところをそのまま解説するのではなく、適宜具体化しながら解説している。また、著者による新たな位置づけや、説明の工夫も多く見られる。深層学習の一般的解説から、特に自然言語処理で使われるSeq2Seqや注意モデルの解説、翻訳・要約・対話・質問応答という具体的なタスク...

立石博高ほか編『スペインの歴史』

近々スペインに行く機会があるので、いくつか関連する本を読んでいくことにした。まずは基本的な通史の本から。本書はスペインの先史時代からEC加盟までの歴史を扱っている。特徴としては、フランコ政権下でのナショナリスティックな歴史感から脱却しようとしている。それはスペイン民族という一体性の強調からの脱却、キリスト教徒、特にカトリックを中心とみる見解からの脱却、スペイン栄光の歴史からの脱却。よって、本書にはバ...

坂井豊貴『多数決を疑う』

名著。社会的選択理論について分かりやすく語った入門書。社会的選択理論は高度な数学に支えられている。本書は数学的ディテールに踏み込むことはない。しかしその雰囲気や、ここから先に踏み込んだら数学的に厳密な世界が待っている一歩手前まできちんと導いていく。タイトルにあるように、本書は多数決以外の不公平の無い決め方を巡っている。多数決は現代の社会で標準的なものとされる。多数決で示された結論が「民意」とされた...

高橋威知郎『14のフレームワークで考えるデータ分析の教科書』

教科書然としているが、あまり標準的な事柄が書いてあるわけではない。個人的にはもっと教科書的なものを探していたが、本書はかなり独自の視点が多く入っている。データサイエンス養成読本は教科書といえるが、まったくの初心者にはややテクニカルすぎる。よりビジネス面によった本を探していた。少なくともこの本は教科書というより、著者の経験に基づいてデータ分析のステップを整理したものだ。例えば初心者が本書を読んで、書...

岩波データサイエンス刊行委員会編『岩波データサイエンス Vol.3』

再読。統計的因果推論について書かれたこの号は本当に素晴らしい。因果グラフの初歩的なところから、因果関係を推論するための差の差法などの手法、そして保育園問題や広告ターゲティングなど具体的な応用例まで。再読するたびに、自分がいま面しているデータ分析課題が因果推論の枠組みからどう見えるかなど、意識することが多い。単純に考えられる変数を入れた線形回帰では、共変量による影響が処置群・対照群によらず同じと仮定...
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