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藤沢晃治『「分かりやすい説明」の技術』


良書。説明を分かりやすくするにはどうしたらいいか、簡潔に書かれている。本自体、その分かりやすい説明の技術を使って書かれている。要点がまとまっているし、適切な比喩、具体例も多い。

知らせることと説明することは異なることだ。単に情報を知らせることで十分だと考えてはならない。説明の目標は聞き手が知ることではなく、話し手の意図を正しく理解することにある。分かりやすい説明とは、聞き手において聞いたことの意味が吟味され、仕分け作業が円滑に行われるように情報を送ることだ(p.26-29)。情報を与えるだけではただの通知。レストランで食材を調理せずに提供しているようなもの。レストランは調理を代行するが、説明では情報整理を代行する。整理は重複、無駄の削除、包含関係の明示、対等・対比関係の明示、要旨の明示からなる(p.78-81)。

分かりやすい説明のポイントとして著者は、聞き手が情報を整理するプロセスに沿って適切な技術を述べる。この情報整理プロセスは、脳内関所と言われている。脳で情報が整理され格納される前までに、5つのポイントがあるという。一つ、入ってくる情報の一区切りのサイズ(短期記憶のサイズ)に制限があり、大きすぎる情報は受け入れられない。一つ、まず既知の大きなカテゴリーに分類される。一つ、情報の無駄をカットして構造を単純化する。一つ、論理的かどうかをチェックする。一つ、過去の概念と照らし合わせ、場合によっては新しい概念を作り出し情報を格納する(p.30-35)。

様々なテクニックが書かれていて、読み手のレベルに合わせて刺さるポイントがあるだろう。巻末にはチェックポイントとして15のルールがまとめられている。10日間に渡って一日一回音読するといいとある。自分には、しみいるように間をとって話すこと(p.53-58)、問いかけとまとめ言葉で聞き手の理解を誘導すること(p.118−121)といった点が特に参考になった。
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