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河合雅司『未来の年表2』


ベストセラーの前著が少子高齢化、人口減少が日本社会に与える影響を俯瞰的に描き、政策立案に焦点を合わせていたのに対し、続編となる本書では個々人の身近な生活により焦点を当てようとしている。前著に比べて、少子高齢化や人口減少で変化する、身の回りの暮らしを具体的に詳細に描こうとしている(p.11-13)。

内容としては前著でおおむねカバーされている。引き込まれるような面白さは前著を読んだ後では薄い。人口減少の影響は、住居、家族、仕事、暮らし、女性という五つの側面に分けて扱われている。それぞれは短いトピックごとに書かれている。基本的には高齢者の増加や人口減少により、それまでの利用者層を前提としていた様々な生活インフラの機能が維持できなくなる、といったもの。例えば、短い間隔で運行する大都市圏の交通機関は、乗客の大多数がテキパキと動ける世代であることを前提としている。乗降に時間のかかる高齢者の乗客が増えれば、もっと余裕のある運行本数へ変更したり、バスでは道路の渋滞を引き起こしたりする(p.87-89)。

著者が何度も述べるポイントは、高齢化と人口減少が同時に進行するということ。勤労世代の減少については、高齢化が進みながら減っていくというところがポイント。2040年には50歳以上が勤労世代の4割を占める(p.112)。女性について別項目が設けられているのはやや意外。内容は女性の定年後再就職の問題と、高齢女性の受刑者の増大。だが前者は、会社人脈の少ない傾向にある女性は再就職が難しいというもの(p.177-179)で、これは女性に限った話ではない。後者も刑務所が介護施設と化す、というものでこれも女性に限った話ではない。

対策が8つ挙げられている。個人、女性(ここでもなぜか女性に限定される話ではないのに別出し)、企業、地域の各プレイヤーに分けて書かれる。基本は戦略的に縮むこと。これは衰退や負けを必ずしも意味するわけではない(p.189)。新しいチャンスと捉えていくことが大事。

個人に対しては、①働けるうちは働く、②一人で二つ以上の仕事をこなす、③家の中をコンパクトにする(構成員が減ったのに応じて使う部屋を集約しておく、生前に整理しておく)。女性に対しては、④ライフプランを描く(早期の結婚・出産)、⑤年金受給開始年齢を繰り下げ、起業する。企業に対しては、⑥全国転勤をなくす、⑦テレワークを拡大する。地域に対しては⑧商店街は時おり開く。
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