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長谷川眞理子他『シリーズ進化学7 進化学の方法と歴史』

進化学の方法と歴史 (シリーズ 進化学 (7))進化学の方法と歴史 (シリーズ 進化学 (7))
(2005/05/28)
長谷川 眞理子八杉 貞雄

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進化学の歴史と方法について。前半の進化論の歴史や、進化生物学の成立にて着いてはよく書けている。すっきりしていて読みやすい。後半は数理生態学の話なので、やや難易度は高い。ただレベルは抑えられているので、専門的な者ではない。集団遺伝学の紹介でよく聞くような話。

数理生態学の紹介での、ゲーム理論の導入は面白かった。ゲーム理論では、各プレイヤーは自分の利得関数を高くするような戦略を採る。これはゲーム自体の設定に組み込まれている。その戦略を採ることが「合理的」とされる。だが、この戦略の合理性の根拠はゲーム自体のなかにはない。ゲーム理論のプレイヤーは、そもそも合理的行為主体であることが前提されている。進化ゲーム理論では、この合理性の根拠を自然選択によって説明できる。なにせ、その戦略を採らないプレイヤーは存続せず、そもそもプレイヤーとして現れないことになるからだ(p.137)。単純な論点ではあるが、目を引かれるものだった。

このシリーズ全般に言えるのだが、「進化論はまっとうな自然科学である」という思いがかなり強い。そもそも「進化学」という言葉を用いているのもその現れ。アメリカではcreative design論に対抗する必要から、こういう風潮があるのは分かる。だが日本では多くの人が自然に進化論を受け入れている。本書最後の結びでは、そのような進化論の活況を呈する日本の状況に対しても、苦言を述べている。いわく、科学者は一般大衆をもっと啓蒙しなければならない、と。特に、専門家の権威を削ごうとするような傾向は「新手の反科学主義」であり、警戒すべきだ、と。どうも空回りしているような印象を受けるのは私だけか。
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