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ジョン・メイナード・スミス『生物学のすすめ』

生物学のすすめ (科学選書)生物学のすすめ (科学選書)
(1990/05)
ジョン メイナード・スミス

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かの第一級の遺伝学者、メイナード・スミスが書いた平易な入門書。かなり期待して読んだのだが、いま一つだった。ちょっと話題が拡散しすぎている。全体として焦点がどこにあるのか、今ひとつ見えない。例えば、脳と知覚の話は神経認知科学の話題であって、進化論や分子生物学の話に混ぜるには折り合いが悪い。翻訳も基本的に直訳調であり、あまりこなれていない。読みにくさの一因。

種の実在性についての議論に興味を引かれた(p.66f)。ここでは、可能的な交配範囲として種を捉えている。だとすると、単に生息域が離れているため、実際に交配が起こらない種については難しい。一緒にしてみればいいじゃないかと思うが、人工的な環境では問題がある。マガモ、オナガガモなどのマガモ類は人工的な飼育化では交配するが、野生では交配しない。飼育環境は自然の姿ではないので同一種ではないとされる。

また、生物の起源についての章で、RNAの進化の話にも興味を引かれる(p.175f)。これはどこか他の本で読んだことのある話だが。アメリカのスピーゲルマンやドイツのアイゲンによる実験。試験管にRNA分子と複製酵素のレプリカーゼを入れる。時間ごとに一滴取り出し、新たな試験管に移す。こうしてRNAレベルでの進化が実験できる。結果は、どんなサイズのRNAから出発しても、必ず220塩基対ほどの大きさのRNAに進化する。つまり、「試験管というきわめて単純な環境では、最良の分子としてはただ一種しかない」(p.177)。

RNAやDNAの複製には必ずエラーが起こる。酵素はこのエラー率を下げる。あまりに塩基対が大きくなるとエラーの箇所は増大し、複製ができない。だから、生物の生まれる最初期では、RNAのサイズは小さかったはずだ。このとき、酵素は存在しない。酵素そのものもDNAやRNAから作られるから。したがってここには、次のような謎がある。「ゲノムのサイズを大きくしなければ酵素をつくることができず、酵素がつくれなければゲノムをおおきくすることができない」(p.180)。
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