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野中郁次郎他『戦略の本質』

戦略の本質 (日経ビジネス人文庫)戦略の本質 (日経ビジネス人文庫)
(2008/07/29)
野中 郁次郎戸部 良一

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20世紀の特徴的な戦争のなかから、それを企画指揮した人物の考えを取り上げる一冊。特に圧倒的な不利な状況で逆転を成し遂げた事例が研究される。そもそもこういった戦史物はあまり読んだことがなかったので、その点でまず興味を引かれた。

だが単なる戦史の本ではない。そこから戦略という一般概念の特質を取り出そうとする本。それでこそ経営学者と軍事専門家が一緒に研究した意義がある。そのポイントは、最後に10の命題として簡潔に語られている。個人的に印象に残ったポイントは、毛沢東の遊撃戦というビジョンの徹底。あくまで陸軍の支援部隊であるというナチス・ドイツ空軍の特徴を、逆についたバトル・オブ・ブリテン、スターリングラードの戦い。そして、和平合意とアメリカの介入を目的としてなされた、サダトの限定戦争。

こうして読むと、軍事戦略がどうも悪くてゲーム、良くても経営戦略のように見えてしまった。ここで指揮官の立場からいかに語られようとも、その裏には単に部隊数や戦死者数として集計されるだけの個々人がいるということが、読みながら常に脳裏に浮かんだ。
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