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志賀浩二『無限のなかの数学』

無限のなかの数学 (岩波新書)無限のなかの数学 (岩波新書)
(1995/08)
志賀 浩二

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これは凄い。大変な名著だ。無限の話なので、集合論の初歩から対角線論法とかが書いてあるのかなと思ったが。そうではなく、実数と無限級数・テイラー展開、フーリエ解析の話。集合論は最後に少し。思えば、カントールはフーリエ解析の話から出発したわけで、当たり前の話の持っていき方。

実数という捉えようのないものを、いかにして数学が扱おうとしてきたか。それは主に、無限級数の問題として見られる。どこまでも任意に続けることのできる、手続きを記したものとしての無限級数。それの収束先として実在すると考えられる、実数の違い(p.65)。歴史的な話(ただし再構成されたもの)もしっかりしている。ニュートンのtan^-1の求め方(p.85)や、有名なオイラーの公式(p.131)など非常に読みやすい。どのように発想がなされた(と考えることができるか)、極めて明確だ。

また、積分についてのコメントも啓発的。微分は物理法則などの記述に用いられ、大きな影響をもたらした。だが、積分は微分の逆操作として考えられる向きが多かった。フーリエ変換において、その係数に積分が現れる。積分を使って、関数がフーリエ展開できるということが積分に独自の役割をもたらした、と著者は語る(p.164)。積分に関するなかでは、ルベーグ積分の導入は、関数空間の完備化であるという簡潔なコメント(p.208)が印象的だった。当たり前のことなのだろうが。昔、ルベーグ積分をやったもののいまいち意味が分からなかったので、急に開かれる思いがした。

最後に印象的な文章を引いておく。ヒルベルト・フレーゲ論争を思い起こさせるようなフレーズ。「無矛盾の公理体系から出発すれば、そこに一つの演繹体系が組み立てられるでしょうが、数学にとっての最大の関心事は、論理の流れよりは、むしろ公理体系を最初に一つそのようにとった意味にあります。」(p.183f)



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