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ブライアン・グリーン『エレガントな宇宙』

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明するエレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する
(2001/12)
ブライアン グリーン

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名著。500ページを読み切るのはなかなか大変だけれど、読みやすい。相対性理論の重力場の話や、スリット実験からファインマンの経路積分に触れるあたりの説明は素晴らしい。
本題のひも理論に入るとやはり難しい。とくにカラビ・ヤウ空間、超対称性、非摂動論の辺りは著者も説明を尽くそうとしているが、かなり抽象度が高い。ひも理論の解説一辺倒だと説明が空回りしそうなところ、物理学者たちのエピソードを交えてくるところがよく考えられている。カラビ・ヤウ図形の移り変わりの話、M理論の誕生に至る話など。

ひも理論に賛成しなくとも、最初の相対論・量子力学の解説を読むだけでも貴重な一冊だ。

amazonに読書記掲載。
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超ひも理論についての物理読み物。有名な名著だ。著者グリーンは、このような一般向け解説本を書いたのは初めてだと言う。それにしては素晴らしい出来である。本書が解説する超ひも理論は高度に複雑な数理物理の理論である。それが提示する宇宙像も、11次元や超対称性など、高度に複雑である。だから、もしかしてエレガントなのは宇宙ではなく、本書自体なのかも知れない。

もちろん本書の主眼である、超ひも理論の解説が素晴らしい。著者自体が超ひも理論の専門家だ。その専門家ならではの観点が嬉しい。超ひも理論が提起されたときの、学界の興奮。また著者自身がある定理を発見するに至る過程もきわめて鮮やか。そして様々あるとされてきた超ひも理論がM理論へと統一されていく過程。摂動論の限界と非摂動論の考え方。数式もほとんど登場しない。また、過度な専門用語や複雑な推論も抑えられている。きわめてエレガントな記述であり、すらすらと読んでいける。そして引き込まれていく。

超ひも理論の解説も鮮やかだが、個人的には相対性理論と量子力学の基本的な解説も気に入った。特殊相対性理論の解説では、物体の運動が空間次元だけでなく時間の次元にも分配されるということを基礎として解説される。そして一般相対性理論への拡張は、加速度運動を取り込んだことだ、と解説する。きれいな叙述だ。また、量子力学の解説もよい。プランクエネルギーの解説もよいし、スリット実験からファインマンの経路積分の話に至る辺りは実に感嘆した。

本書は500ページに強に及ぶ。記述は読みやすいが、扱っている内容の重厚さもあって気軽な読書ではない。エレガントな本書が与える清々しさ、そして提示する宇宙像の目眩がするような複雑さ。それはとても貴重な読書体験だ。
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