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杉山直『宇宙 その始まりから終わりへ』

宇宙 その始まりから終わりへ (朝日選書)宇宙 その始まりから終わりへ (朝日選書)
(2003/06)
杉山 直

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これは非常によい本だ。かなりおすすめ。現代物理学の宇宙論について、きわめて平易に語られている。現在正しいだろうと考えられている事項をただ述べるのではなく、それが意外だが受け入れられた背景などを語る。それによって、引き込まれるように読んでしまう。

この類の現代宇宙論を何冊か読み慣れたせいもあるが、非常に分かりやすかった。黒体放射とプランクエネルギーや、アインシュタインの宇宙項とダークエネルギー。インフレーション理論が説明する、ビッグバン説の三つの問題(地平線問題、平坦性問題、モノポール問題)。ポジトロニウム原子とその崩壊、などなど。

極めて遠くの天体までの距離を測る方法として、変光星の変光の周期を使うことの解説(p.52f)。リーヴィットが開発したこの方法が宇宙観測の大きな鍵となって、ハッブルが宇宙の膨張を発見する。このくだりの解説はよくできている。

回転曲線からダークマターの存在が推定されるところ(p.177f)もよい記述だ。ケプラー回転と剛体回転という二つの回転運動を区別する。ケプラー回転は惑星の回転のように、中心から離れるほど回転の速度が遅くなる(ケプラーの第三法則)。一方、剛体回転はCDのような回転で、中心から離れるほど回転の速度が速くなる。実際に観測してみると、中心からどれだけ離れていても、星の回転速度は同じ。これは、剛体回転をしているとは言えないまでも、少なくとも見た目よりもかなり多くの物質(輝いている星の質量に比べて少なくとも5倍以上)が存在していることを示す。つまりダークマターが推定される。

だがもっと奇妙なものもある。観測結果から宇宙は膨張している。だが物質は放っておけば重力によって引き合う。だから物質間の重力に反して宇宙を膨張させるエネルギーが宇宙には存在するはずだ。このエネルギーがアインシュタインの一般相対性理論の基本方程式で宇宙項として表現される(p.15)。エネルギーと質量は読み替えられるから(E=MC^2)、宇宙項のエネルギーと物質の質量が比較できる。それによると、宇宙項のエネルギーは前述のダークマターの総量の2~3倍程度ある。これがダークエネルギー。

かくしてこうまとめられる。「観測によって描きだされた現在の宇宙を構成する「物質(エネルギー)」の内訳は、そのおおそ七割はダークエネルギー、残り三割のうち九割はダークマター、私たちになじみの深い、水素やヘリウムといった普通の物質は全体のわずか数%である」(p.205)
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