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デイヴィッド・ルエール『偶然とカオス』

偶然とカオス偶然とカオス
(1993/03)
D. ルエール

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著者は流体、特に乱流turbulenceの研究者。初期条件の微細な違いでその姿を大きく変える乱流の研究は、非線形力学を始めカオス研究の源となった。その著者が偶然性やカオスを巡って書いたエッセイ。

さすがに専門の物理に関するところは面白い。個人的に気に入ったのは、粒子が量子力学的に取りうる状態の数からエントロピーを説明するところ(p.136f)。妙に合点がいった。確かにボルツマンは量子力学以前なのでアナクロニズムである。だが、著者が言うように、ボルツマンのアイデアには量子力学で表すと便利なものがある(p.140)。こういうエントロピーの説明の方が飲み込みやすい。

また、著者自身の乱流に関する研究の話も、よく分からないが面白く感じた。ストレンジ・アトラクタという新しいアイデアを持って、乱流に関するランダウ・ホップ理論を批判する。その論文が受け入れられず、自分が編集する雑誌に掲載する経緯(p.76f)など。肝心のストレンジ・アトラクタが何かは読んでもよく分からないのだが。

残念ながら物理の話以外はちょっと変だなと思うところが多かった。ゲーデルの不完全性定理を巡る話とか(チャインティンの話を経て自然数体系における「偶然性」を言う)、性を巡る生物学的話とか。また、数学の記号的側面を強調するのも気になる。単語や句とかがある意味ではそれこそ数学的対象であるとも言う(p.10)。not Aは単なる記号列であって、これをAが起こらないことだと考えるのは物理的理想化においてだと言うが(p.22)、それはモデル論という考えがすっかり抜けている。

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