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佐藤矩行ほか『マクロ進化と全生物の系統分類』

マクロ進化と全生物の系統分類 (シリーズ進化学)マクロ進化と全生物の系統分類 (シリーズ進化学)
(2004/12)
佐藤 矩行馬渡 峻輔

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系統分類について解説した本。リンネ以来の類縁関係に基づく分類学が、DNA解析に基づく分子系統学によってどう変わったのか。どのようにして多様な生物を分類するのか。種概念の実在性のような概念的な話はそんなに書かれているわけではなく、個別のトピックに渡った議論が多い。ただし、分類と同定という根本的区別は示唆的で、分類とは生物を特徴によってグループ化することであり、同定とは個別の生物をそのようなグループに帰属させること。分類が分類学の目的であり、同定はその応用似すぎない(p.30)。

例えば、現生の裸子植物と被子植物の間には直接の系統関係はなく、被子植物の祖先は絶滅した化石裸子植物の中に求めるしかない(p.153)こと。ミクソゾアやニハイチュウのような寄生生活をするようになった系統は、退行的進化が頻繁に見られ、形態の比較からは系統は分からず、分子系統学によって初めてはっきりした結論が得られる(p.66f)こと。また従来は体腔性と体節性に基づき、環形動物と節足動物に系統関係が考えられていたが、それらは独立に進化したものである(p.70)。

面白かったのは最古の生命の痕跡を探る方法について。これは炭素原子の放射性同位体13Cの濃度から判定する。生物が二酸化炭素を固定する回路(カルヴィンーベンソン回路)において働く酵素(RuBisCO)が、軽い12Cを選択的に取り込むので、13Cに対するその割合が有意に高い場所があれば、それは生命の痕跡である可能性がある。35億年前の地層にそうした石墨や炭質物が見られるという(p.99)。
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