Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://exphenomenologist.blog100.fc2.com/tb.php/330-ab9bb5cf

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

大鹿靖明『ヒルズ黙示録』

ヒルズ黙示録 検証・ライブドア (朝日文庫)ヒルズ黙示録 検証・ライブドア (朝日文庫)
(2008/09/05)
大鹿 靖明

商品詳細を見る


臨場感あふれるとてもいい本。日本中を騒がせたライブドア・ショックについての、当事者への綿密なインタビューに基づくドキュメンタリー。話の中心はライブドアによるニッポン放送株の取得、それを機にしたフジテレビとの抗争。また、楽天によるTBS株の取得を巡る。

あの当時のライブドアに対する評価は人それぞれだろう。自分としては、せっかく日本が息を吹き返そうとしていたところを守旧派が見事に潰してしまい、それ以降の日本はさらなる停滞に陥ったということの象徴的な事件である。著者の評価は、単なる拝金主義の悪者として描くものではもちろんない。例えば、1990年後半、株価の低迷にあえぐ企業を助けるために、経団連は商法や証券取引法の改正を要望してきたが、ライブドアはその規制緩和によって可能となった枠組みをうまく利用してきたのであり、経団連がライブドアを生んだとも言える(p.153)と語っている。

確かにライブドアはまさに時代が産んだ寵児だったし、時代に潰された存在でもあった。フジテレビとの抗争をめぐって、当時の日本経団連会長だった奥田は堀江を激励した(p.200)。あるいは、堀江の広島6区出馬をサポートしたのは、地元の有力企業、かの常石造船グループの神原勝茂(p.247)だった。こうしてライブドアの動きを支持した人たちも多かったことも事実である。当時の自民党幹部については論を待たない。著者自身は、問題はライブドアの経営陣ではなく、監査法人、会計士、弁護士などの資格を持つプロたちだ(p.393)と評している。

時代の記録として面白いというより、M&Aに関するドキュメントとして最高に面白い。M&Aにどんな手法やスキームがあり、どんな出口戦略があり、多額のカネが絡むと人がどう動くのか。策士あり、だまされる人あり。村上ファンドの相手の裏をかく動き、「武器商人」(p.321)たるゴールドマン・サックス日本法人代表の持田。ライブドアのファイナンスは法律や規則の裏をかくものだった。その複雑なスキームが描かれている本書は、生き馬の目を抜く企業買収の現場を鮮明に描いたものとして読める。ライブドアは「この国の社会経済システム全体のハッキングを楽しんでいた」(p.410)と著者は書くが、まさにそれは頷ける評価だ。

ただし、この本には当時のライブドア経営陣の逮捕を巡る過程はそんなに詳しくない。それはもうひとつの『ヒルズ黙示録・最終章』に譲る。



スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://exphenomenologist.blog100.fc2.com/tb.php/330-ab9bb5cf

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。