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[C6] Re: 書評および間違いの指摘をありがとうございます

著者直々にコメント、ありがとうございます。
『行動ゲーム理論入門』は自分の知りたかったことがまとまって書いてあり、非常に楽しく読むことができました。ゲームの実例も多く読みやすい本で、こういったものが日本語で読めるのは僥倖です。ありがとうございます。

参考文献を教えていただき、ありがとうございます。ゲーム理論に俄然、興味をもちましたので紹介された本も入手してみたいと思います。自分は論理学や数学という、完全な合理性による推論の世界に馴染んできたもので、限定合理性の元での推論を論じるゲーム理論は非常に新鮮です。

改めてご挨拶を兼ね、メールをお送りいたします。このページ、だいぶ見ている人も増えてきましたし、そろそろ実名で運用したほうがよさそうですね。
  • 2011-01-30 10:46
  • ex-phenomenologist
  • URL
  • 編集

[C5] 書評および間違いの指摘をありがとうございます

「草葉の読書記」において、拙著『行動ゲーム理論入門』について詳しい書評を書いてくださってありがとうございます。

これまでも書評やレビューをいただいていますが、私自身の研究分野であり、自分ではおもしろく書けたと思っていた第6章「コーディネーションとコミュニケーション」に注目してくださったのは初めてでしたので、大変うれしく思いました。

また、ご指摘の点ですが、まずブラウワーの直感主義は誤植でした。以下の正誤表にさっそく載せました。なおこちらは出版者から出ているものよりアップグレードされています。
http://www.fun.ac.jp/~kawagoe/errata.html

つぎに、ツェルメロの定理の「証明」ですが、ご指摘の通りで間違い、というよりはそもそも証明になっていませんね。いまちょっと調べなおしていたのですが、すぐ手近で参考になるのは、以下の2点です。

・モートン・デービス『ゲームの理論入門』(講談社ブルーバックス)、第2章付録
・オーマン『ゲーム論の基礎』(勁草書房)、第1章

ツェルメロの定理の「証明」については、2刷のときに直したいと思います。

ちなみに、ヘックスの必勝法の証明についても、引き分けがないことの証明は省いていますが、これはかなりやっかいです。Galeの論文に示されていますが、かなり長い証明になります。こちらも、再校の際に話題になったのですが、差し込むには長すぎるということで見送りました。

さてそれで、2刷のときに、もし差し付けなければ、ぜひお礼としてお名前を掲載したいと思いますので、こちらまでメールでお知らせいただけるでしょうか?

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川越敏司『行動ゲーム理論入門』

行動ゲーム理論入門行動ゲーム理論入門
(2010/03/17)
川越 敏司

商品詳細を見る


いまとても話題のこの分野。本書は良好な入門書と言えるだろう。大学での講義ノートに基づいているものだろうか。よくまとまっているし、具体的なゲームの事例も豊富。また、数学的なところはけっこう抑えられている。ただし、Wordファイルをそのまま印刷したような組版なので、見た目が悪い。(TeXで組版しろとは言わないが、せめてフォントはヒラギノかメイリオにしてほしい。出版社は手を抜きすぎだ。MS明朝・ゴシックが見難い上に醜いフォントだという自覚を持ってほしい。)

メモをあまり取らずにざっと読み、またちょっと時間が経ってしまったのであまり詳細には書けない。そのうち再読する。

この学問分野の状況についてざっとまとめてあるが、ときおり著者自身の大胆なまとめがあるのが好意的。例えば、実験経済学と行動経済学の違いについて。実験で観察される人間の行動は、経済学の伝統的な理論とは異なる場合がある。これについて、基本的には伝統的な経済学を守りつつ、修正を行おうとする流れと、心理学者が発見した数々のアノマリーを重視して、伝統的経済学をあまり考慮しない流れがある。前者が実験経済学であり、後者が行動経済学である。この二つの間の論争の主戦場は、プレイヤーが学習の初期段階で見せる、均衡からの逸脱をどう説明するかに現在は移っている。大胆に整理すると、実験経済学は利己的で限定合理的な理論を唱えているが、行動経済学は利他的で合理的な理論を唱えている(p.15f,103)。

行動ゲーム理論のそもそもの出発点として、論理学での決定不能性が挙げられている。この馴染み知った話題から始まるとは思っていなかったので、意外だった。たしかに、ゲームの均衡を求める計算はあまりに膨大で、ときにNPになる。だから完全な合理性を求めるのではなく、人間は限定合理性に基づいて行為する。一番面白かったのは、この限定合理性と合理性の間に尺度を設けるロジット均衡やレベルK理論という考えで、これはつまり合理性の尺度である。

ただし、論理学での決定不能性については著者はやはり門外漢のようだ。ブラウワーの「直感主義」という書き方からもそれがうかがえる。正しくは「直観主義」。「直感主義」というと、道徳的価値は推論によらず認識されるという倫理学の学説を連想する。ツェルメロのゼロ和2人ゲームの解の存在証明については説明になっているとは思えない(p.33f)。

他にもゲーム開始初期のアノマリーな状態から、いかにナッシュ均衡へ落ち着いていくかを描く学習理論、プレイヤー間のコミュニケーションがいかに均衡に影響を及ぼすかなど刺激的な話題が多い。プレイヤー間にコミュニケーションがなくても、外在的な制約を課すことによって、パレート効率な均衡にもたらすことができるという、相関均衡の考え(p.192-198)にも強い興味を持った。

この分野についてしっかり学んでみたい人には、まずもって最初に勧めることのできる一冊。
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[C6] Re: 書評および間違いの指摘をありがとうございます

著者直々にコメント、ありがとうございます。
『行動ゲーム理論入門』は自分の知りたかったことがまとまって書いてあり、非常に楽しく読むことができました。ゲームの実例も多く読みやすい本で、こういったものが日本語で読めるのは僥倖です。ありがとうございます。

参考文献を教えていただき、ありがとうございます。ゲーム理論に俄然、興味をもちましたので紹介された本も入手してみたいと思います。自分は論理学や数学という、完全な合理性による推論の世界に馴染んできたもので、限定合理性の元での推論を論じるゲーム理論は非常に新鮮です。

改めてご挨拶を兼ね、メールをお送りいたします。このページ、だいぶ見ている人も増えてきましたし、そろそろ実名で運用したほうがよさそうですね。
  • 2011-01-30 10:46
  • ex-phenomenologist
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  • 編集

[C5] 書評および間違いの指摘をありがとうございます

「草葉の読書記」において、拙著『行動ゲーム理論入門』について詳しい書評を書いてくださってありがとうございます。

これまでも書評やレビューをいただいていますが、私自身の研究分野であり、自分ではおもしろく書けたと思っていた第6章「コーディネーションとコミュニケーション」に注目してくださったのは初めてでしたので、大変うれしく思いました。

また、ご指摘の点ですが、まずブラウワーの直感主義は誤植でした。以下の正誤表にさっそく載せました。なおこちらは出版者から出ているものよりアップグレードされています。
http://www.fun.ac.jp/~kawagoe/errata.html

つぎに、ツェルメロの定理の「証明」ですが、ご指摘の通りで間違い、というよりはそもそも証明になっていませんね。いまちょっと調べなおしていたのですが、すぐ手近で参考になるのは、以下の2点です。

・モートン・デービス『ゲームの理論入門』(講談社ブルーバックス)、第2章付録
・オーマン『ゲーム論の基礎』(勁草書房)、第1章

ツェルメロの定理の「証明」については、2刷のときに直したいと思います。

ちなみに、ヘックスの必勝法の証明についても、引き分けがないことの証明は省いていますが、これはかなりやっかいです。Galeの論文に示されていますが、かなり長い証明になります。こちらも、再校の際に話題になったのですが、差し込むには長すぎるということで見送りました。

さてそれで、2刷のときに、もし差し付けなければ、ぜひお礼としてお名前を掲載したいと思いますので、こちらまでメールでお知らせいただけるでしょうか?

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