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ランダル・ストロス『プラネット・グーグル』

プラネット・グーグルプラネット・グーグル
(2008/09)
ランダル ストロス

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ビジネススクールの教授であり、IT企業の話題に詳しい著者が、グーグルの数々のサービスの成立と現状を描いたもの。グーグルに対してかなり客観的な視点から書かれていると言っていいだろう。グーグルを取り巻いた熱狂に乗っているわけでもないし、著作権など既存秩序の破壊者として見ているわけでもない。

ということで記述は淡白であり、読んでいて物足りなさを覚える。時折見せる視点は面白く、それは参考になる。例えば、グーグルはインターネットはオープンであるという前提に立つ。オープンだからこそ、グーグルボットは自由にリンクを動き回り、ページを収集してインデックス化する。これは、グーグルが既存のネットワークに対して持っていた大きな優位性だった。

1990年代のAOLは課金されたユーザだけがアクセスできる閉鎖された場所だったし、Windowsはプロプライエタリな世界だった。だが「壁で囲まれた庭に十分な広さがあれば開放的な場所と区別がつかない」のだった。ここにグーグルが登場し、壁の外の世界をランキングして明らかにしていくことにより、これらの庭は狭くなっていた。ところが、こうしたグーグルの立ち位置をいま劫かしているのがフェイスブックだ。フェイスブックが2007年5月にAPIを公開すると、様々なアプリが作られ、ユーザはグーグルボットが入れないフェイスブックという壁の中の庭に自足するようになった。一度は廃れたかに思われた見方が復活したのである(p.38-46)。グーグルがフェイスブックに対して取った戦略は、グーグルトークにソーシャルネットワークらしき機能をつけて、勝手に友人関係を収集・構築するもので不評を買った。グーグルはフェイスブックに急いで対抗しようとするあまり、危機をもたらしてしまったのだ。(p.57)

また、グーグルの発想が基本的に文字ベースの検索アルゴリズムにあることも指摘されている。その発想が文字ベースのウェブページ以外でそのまま通用するわけではない。グーグルニュースはその一例で、ニュースにおいてはアルゴリズムの利点はうまく発揮されていない(p.113)。また、動画についても。グーグルは動画に関してはプロが制作した動画にこだわった。プロが制作した動画こそヒットするという考えを捨てられなかった。しかも、従来の文字検索の発想を抜けられず、動画に字幕をつけるよう求めた。結局、この発想は転換できず、ユーチューブを買収するに至る(p.165)。さらに、この基本的発想以外のことをしようとすると、あまりうまくいかない。グーグルアンサーズはユーザからの質問を、契約した専門家が有償で答えるものだった。これはアルゴリズムではなく人間の回答に頼るという、グーグルらしくない試みだった。だがあまり流行らず、グーグルはビジネスモデルを変更もしなかった。結局、誰もが無償で答えるというヤフーアンサーズに道を譲った。グーグルは様々なサービスを開始してみせるが、改良し発展させるのは別の話である。(p.248)

グーグルブックスに関する、著作権を巡る出版社との抗争は分量を持ってうまく書かれている。以下の評価はやや皮肉的である。グーグルは書籍の検索において、当初は著作権者の承認なしに書籍のデジタルコピーができる権利を主張したが、それは焦ったゆえの愚かな行為だった。書籍についての情報は、グーグルが2007年にオンライン蔵書目録を検索に入れたことによって大幅に拡大した。これはグーグルの書籍検索プロジェクトの始まった2004年にすでに利用できたものだ。(p.149f)
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