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リチャード・ファインマン『光と物質のふしぎな理論』

光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫)光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫)
(2007/06/15)
リチャード・P. ファインマン

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かの物理学者ファインマンの有名な一般向け講義で、量子電磁力学について。名高い本なのだが、自分にはしっくりこなかった。量子力学の解釈が(当たり前ながら)経路積分とファインマンダイアグラムなので、いまいち自分には馴染みがなかった。

しかし鏡での光の反射という身近な例を取りながら、光が取りうる様々な確率振幅と、それが打ち消しあう様の解説はやはりよくできている。ストップウォッチの針という比喩を使って確率振幅を説明し、ベクトルの合成によってそれぞれが打ち消しあう(p.39-45)。この説明の仕方に基づいた光の直進性の説明(p.74-79)もよく分かるものだった。光には光速cより速く進む振幅もあるが、距離が長い場合それは光速より遅い振幅と打ち消し合ってしまうという話(p.125)も、この説明のもとでとても興味深い。

ずっと煙に巻かれているような気分だったのは、この矢印がなんなのかよく分からないからだった。矢印は確率振幅を表すもので、複素平面上のベクトル(p.89)とも示唆されているが、結局こう述べられている。道具主義的な態度。よく分からないわけだ。
そもそも振幅とは何を意味するのか(もしほんとうに少しでも意味のあるものなら)という哲学的疑問は大いに残るのですが、物理学が実験の科学である以上、私ども物理学者にとってはこの理論体系の予測が実験の結果とぴったり合いさえすれば今のところはこれで満足なのです。(p.176f)


ちなみに原著名は"QED"だ。これはもちろん量子電磁気学Quantum electrodynamicsの頭文字。一方QEDと聞いてすぐに浮かぶのは、Quod Erat Demonstrandum(証明終了、「これが示されるべきことであった」)。QEDは徹底的に理解できている理論だと述べているが(p.3)、ダブルミーニングなのだろうか。
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