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エリヤフ・ゴールドラット『クリティカルチェーン』

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
(2003/10/31)
エリヤフ ゴールドラット、三本木 亮 他

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かのTOCをプロジェクトマネジメントに応用したもの。他の本と同じように小説形式をとって語られている。サイドストーリーとしてテニュアを獲得できるかの瀬戸際という大学教授の話が組み合わされている。

製造業の生産工程を典型例として展開されたTOCは、在庫の管理に重点を置いていた。全体最適化を図るのではなく、もっともボトルネックとなっている箇所を部分最適することの必要性を説いた。ボトルネックの存在は、その工程の仕掛り在庫の滞留となって現れていた。プロジェクトマネジメントにおいて仕掛り在庫に当たるものは、各タスクのバッファーとなる。つまり、在庫とは時間である(p.224)。

ボトルネックとはプロジェクトマネジメントにおいてはクリティカルパスだから、ボトルネックへの注目とその効率化ということであれば、単にクリティカルパスのケアをするということになる。本書を読んでもっとも印象に残ったのは、各タスクに対してバッファーを設けるのではなく、クリティカルパスが他と合流するところにバッファーを設けるべきだ(p.237ff)ということだった。タスクの見積もり人日を概算するとき、つい各タスクそれぞれに遅延へのセイフティーとしてバッファーを見てしまいがちだ。だがバッファーは潰されてしまう。
せっかっく組み込んだセーフティーがムダにされる理由もどうやら三つあるようだ。まず学生症候群。ぎりぎり最後になるまで作業に取りかからない。二つ目は、作業の掛け持ち。三つ目は、ステップ間の従属関係。ステップ同士が従属しあっているから、作業が遅れるとどんどんそれが蓄積したり、逆に作業が早く終わってもその分は消費されてしまう。(p.195)


なるほどと思う箇所はたくさんあるが、これは壮大な学生症候群をもたらしてしまうかもしれない。各タスクに対してではなく、クリティカルパスの最後に大きなバッファーがあるなら、各タスクの見積もり時間を超過していても最後の大きなバッファーを当てにしてしまう。ちなみに、自分は各タスクではなくある程度のまとまったタスクのパスの終わりにバッファーを置いていたら、空白があるのはおかしいとWBSを見て指摘された。確かにスケジュールが遊んでいるように見える。

もっとも最後の部分にNPVによるプロジェクト価値算定への批判がある(p.375ff)がポイントが分からなかった。途中で終わっていて、別の本に続いているようだ。
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