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ヤン・ゴンダ『インド思想史』

インド思想史 (中公文庫)インド思想史 (中公文庫)
(1990/10)
ヤン ゴンダ

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インド思想史の古典的名著。古代のウパニシャッドの思想から、ジャイナ教、小乗/大乗仏教、ヨガ思想などを扱う。入門者が読むにはちょっときつい。個々の時代の思想の解説がメインであり、それが生まれた時代背景や一般的な影響についてはあまり記述がない。また、個々の思想におけるキーとなる概念についても詳しい説明がない。ある程度知っている人が知識を整理する概説本と思われる。

というわけで自分にはやや知識のある大乗仏教の辺りはしっかりと読むことができたが、それ以外の部分はいまひとつの理解となった。その中では龍樹について、小乗仏教との関わりで位置付けがなされており(p.134-139)、ここはかなり面白かった。また、インド思想ではずっと世界の最高原理とされるもの(梵)は明確な人格的イメージを伴っていないのだが、パガヴァット・ギーター(紀元前3~2世紀に成立)で梵に変わって最高人格神が現れる(p.162)という展開にも興味を覚えた。

「インドでは、一貫して、この世のものに真実を求めようとしなかった」(p.80)という考えが本書全体を貫いているようだ。
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