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ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ『千のプラトー 下』

千のプラトー 下---資本主義と分裂症 (河出文庫)千のプラトー 下---資本主義と分裂症 (河出文庫)
(2010/11/05)
ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ 他

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思考を外と、外のもろもろの力と直接に関係させること、つまり思考を戦争機械たらしめること、--それは一つの奇妙な企て(p.62)

ようやく下巻までたどり着いた。これでやっと全体を読了したことになる。相変わらずよく分からない本だ。下巻に収録された部分は国家装置と戦争機械という国家論や、条里空間と平滑空間という概念対を展開していく。

国家装置と戦争機械の話は分かりそうなところもあり、楽しく読める。例えば、原始社会を国家の前段階のものと見る進化論的思考への批判。原始社会には確かに首長はいるが、それは成員の信頼により成り立つものであり、存続する権力ではない。むしろ、原始社会には国家への発展を妨げるようなメカニズム(=戦争機械)がある。原始社会をなす群れや徒党は国家に対立するものであり、戦争機械の変身した姿である。国家は主権とその外部の関係で成り立つ(世界的な国家などない)。戦争機械は国家に対するこの外部を提供するのである。(p.24-32;76f,161ff)
また、遊牧民について。歴史は領土的原理によって遊牧民を貶めてきた。彼らは国家や都市を理解しない哀れな人たちではない。遊牧民は積極的に血統、国家をはねのけてきたのであり、それらから逃れ続ける(p.96)。

国家は戦争機械を所有することにより、政治の一手段としての戦争を行ってきた。だが現代では逆に戦争機械が国家を所有し、国家は戦争機械の部分になってしまった。ファシズムは戦争それ自体を目的とする戦争機械が国家を奪い取ったものである。しかしその後の冷戦体制は絶望的である。国家ではなく戦争機械が世界秩序を担うようになったのであり、この戦争機械は平和を目的として、世界中の国家を管理し配置している(p.147f,233f)。冷戦体制において戦争機械が国家を簒奪し、管理するようになったという見取り図は面白い。

戦争機械は、その外部性形式のゆえに、みずから変身することによってしか現実には存在しえない。戦争機械は、産業上の革新において、技術上の発明において、商業上の販路において、また宗教上の創造において、つまり国家によって副次的にしか所有されえないこうした流れや傾向において、現実に存在するのである。外部と内部、変身する戦争機械と自己同一的国家装置、徒党集団と王国、巨大機械と帝国、これらは相互に独立しているのではなく、一つのたえざる相互作用の場において、共存しかつ競合していると考えなくてはならない。この同じ相互作用の場が諸国家の内側に内部性を画定し、他方では国家の支配から逃れ去る、あるいは国家に対抗するものとして外部性を描き出すのだ。(p.31f)


国家と思考のモデルについてのリマークに目を惹かれた。思考形式が国家からモデルを拝借してくることがある。思考はそれにより、すべてのものを正当化するような中心を得る。しかし国家もこの思考形式により、本質、普遍性を得ることができる。近代国家と近代哲学においては、国家の神話は哲学の理性と結託し、思考の常識・共有感官(commonsense)は国家的合意(commonsense)となる(自由な精神たちの合意による共同体国家)。ただし国家の相手はいつも哲学なのではなく、古代では詩だったし、現代(どこまでも普遍的な法)では精神分析である。(p.58-62)

条里空間と平滑空間という言い方は、何を言いたいのだろう。条里空間は通常の、ユークリッド距離関数が入った距離空間だと思うが、平滑空間は何を考えたらいいのか。様々な微分多様体が展開されるような空間か。平滑空間は無形のアンフォルメルな空間(p.253)で、リーマン空間である(p.269)という言葉からすると、どうやらそんな連想のようだ(リーマン空間という言い方はあまり聞かないが)。平滑空間は次元数が分数次元を持っているため、空間は方向的で接線を決定できない(p.274f)と言う。多様体の理論にはアトラスやチャートといった実に魅力的な概念があるが、どこまで関連付けられるだろう。

思考すること、それは旅することである(p.263)
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