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石川馨『日本的品質管理』

日本的品質管理―TQCとは何か日本的品質管理―TQCとは何か
(1984/01)
石川 馨

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日本の品質管理運動を指導してきた著者が、それまでの経験を記したもの。自らの品質管理とのかかわりを書いた自伝的文章や、品質管理の精神やポイントを記している。実際の品質管理のやり方については記載はない。QC7つ道具すら列挙されていない。

しかし品質管理とは製造段階に限られるものではなく全社的なものであるとか、品質とは製品基準に従うことではない、といった基本的なポイントを切に説いている。品質とは規格への適合でなく、消費者の要求を満足することである(p.60f,103)。アメリカのZD(Zero Defects)運動はまさにこの点を取り違えたがゆえに失敗した。逆に、規格のほうが改訂されていくべきものだ。半年も改訂されていない規格は用をなさない(p.78)。

また管理と検査は異なるものであり、検査の発想で経営管理を考えてはいけないというポイント(p.96)も興味深い。結果として出てきたものの品質をチェックするのは検査であって、管理ではない。管理とは結果「を」チェックするものではなく、結果「で」経営や工程をチェックするものだ。また、品質管理活動の評価は費用効果によってのみなされるのではない(p.214f)という点などが目を引いた。活動の進め方、問題解決への姿勢、チーム力などに重点が置かれなければならない。著者のこうした見解の根本には、企業経営の目的は利益を上げることではなく、ステークホルダーを幸福にすることだ(p.137f,159)という思いがあるようだ。性善説に基づき、人間の自発性を尊重すること。
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