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平澤章『UMLモデリングレッスン』

UMLモデリングレッスン 21の基本パターンでわかる要求モデルの作り方UMLモデリングレッスン 21の基本パターンでわかる要求モデルの作り方
(2008/01/24)
平澤 章

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主にUMLのクラス図を用いたモデリングについての入門書。もっとも単純なケースから始めて、徐々に複雑なクラス図の書き方、考え方を学ぶことができる。途中でステートマシン図も少し登場する。UMLモデリングとはいっても、本書が扱うのは主にその二つの図のみ。ピアノの教本バイエルを参考にしたと著者は書くが、まさにそういう構成。デザインパターンが全部で21紹介されている。

さて自分自身UMLモデリングには全然馴染みがないせいか、考えとしては分かるものの、果たしてこれは使えるのだろうかという印象を持った。例えば、クラス図の多重性にかなりのビジネスロジックが含まれるとされる(p.116)が、このような小さな情報に気を配らなければならないのはこの記法の欠点と見える。しかもその多重性を考える際には、どういうインスタンスがありうるか、つまりインスタンスに対してどういう同一性条件がありうるかを考えることであって、これは実質的にクラスの主キーがなにかを考えることになる。本書のUMLモデリングではキーという概念を導入しないので、説明がときおり苦しい。関連クラスを使う方法が紹介されるがあまりお勧めではなく、データ構造の話をするのに同一性や制約条件がノートや文字ベースでしか結局表現できない(p.191)。それはせっかくの図法としては厳しい。

また、ステートマシン図とクラス図の関連はよく分からなかった。ステートマシン図からイベントを選んでクラス図に表現すると言うが、イベントそのものがクラスになるわけでなく、イベントに伴うステータスをプロパティに持つクラスがある。ステートマシン図を通過するインスタンスの検討をしないでクラス図と関連づけるのは苦しい(p.142,162)。ER図の考えを使うと「どうしてもコンピュータの仕組みが要求モデルに混入してしまう」(p.296)とあってその論点はよく分からないが、UMLのクラス図もオブジェクト指向プログラミングでのクラス分けを反映したもので、どこまでそういう仕組みの混入を免れているだろうか。

とはいえ、こうしたクラス図による表現は特に動的にカテゴリや属性が変化する事態(p.218f)ではかなり明確な表現ができるなと感じたし、ER図も多対多のクラスのモデリングでは中間にエンティティを入れなければならない(p.289)のは難点だろうと思った。

最後に、ベン図による記述はかなり苦しい。ベン図は要素関係は一段階しか表現できない(ベン図では要素は点で示され、その内部構造は示せない)。著者は要素関係を色付きの四角と、線の二つの方法で書いている。例えば要素と要素の組を含む集合があるが(p.96)、これなどベン図で書くのはかなり無理がある。また、全体と部分という概念対がちょっと不安定。「全体集合と部分集合」と「全体と部分」の違いは、分類と分割の違いだとするが(p.86)、この違いは包含関係と要素関係の違いだろう。
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