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アレクシス・ド・トクヴィル『アンシァン・レジームと革命』

アンシァン・レジームと革命 (講談社学術文庫)アンシァン・レジームと革命 (講談社学術文庫)
(1997/01)
A. de・トクヴィル

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わたくしは諸事実の記録をもっているので、あえて次のように言っておきたいのである。すなわち、革命政府によってとられた多くの処置は、王政の最後の二世紀に、下層民衆に対して採用された処置に先例と具体例とをもっていたと、旧制度は革命にその諸形式の多くを供給したが、革命はこれらの形式に、自らの天禀による残虐性だけを付け加えたにすぎなかったということを。(p.410f)

有名なフランス革命論。フランス革命は劇的な過程であり、それによって国政の刷新がなされ、人々に自由がもたらされたかのように語られる筋もある。トクヴィルが強調するのは、フランス革命後に現れた政治体制はむしろ、革命前の旧体制においてすでに実現されていたものだということ。つまり、フランス革命は一部地域ですでに起こっていたことのフランス全土への拡大なのである(p.44f)。

旧体制下に見られる革命後の体制の萌芽を、トクヴィルは様々な資料を駆使して明らかにしていく。多くな比重を占めるのは貴族層の没落と、国王への行政権力の集中である。さらに言えば、これらは税(人頭税、二十分の一税など)の負担を巡って書かれている。トクヴィル言うところ、革命は結局のところ行政の中央集権化(政治の中央集権化とは区別される)を巡っているのであり、行政の中央集権化こそ革命の発端(p.191f)であった。そして旧体制が新体制を準備していたというテーゼからすれば、行政の中央集権はむしろ旧体制の産物である(p.149)。このことを顧問会に見ている(p.187f)。

啓蒙政治思想による影響(p.320ff)には興味をひかれる。フランスのこれらの思想家たちは実際の公務に関わっているわけではなく、その概念は一般概念で抽象的である。これらの影響を受けた革命思想は、抽象的で原理的なものとなる。そんな浮世離れした精神は、確かに恐ろしい光景を生み出す。
フランス革命史を研究してみれば、フランス革命は、抽象的政治論の多くの著作が書かれたその同じ精神によって、まさしく指導されていることがわかるのである。そこには、これらの著作におけると同様に、一般的理論や完全な法律体系や法則における正確な均斉などに対する同一の魅力、現存事実への同一の蔑視、理論への同一の信頼、制度における独創的なもの巧妙なもの新しいものへの同一の好み、社会構造の部分的改造を求める代りに論理の法則にしたがって唯一の構想の下に全社会構造をつくりかえようとする同一の欲求などが、同時に見出される。これは何と恐ろしい光景であることか!なぜかというと作家では美点であるものは、政治家では時としては悪徳であるし、しばしば良書をつくりだしている事態も重大な革命をもたらすものにもなりかねないからである。(p.334)


内容がもともと易しくないとはいえ、翻訳が読みにくい。訳者は刊行当時95歳のようだ。現代仮名遣いではあるが訳文は相当難い。
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