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ユルゲン・ハーバーマス『近代』

近代―未完のプロジェクト (岩波現代文庫―学術)近代―未完のプロジェクト (岩波現代文庫―学術)
(2000/01/14)
J.ハーバーマス

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ハーバーマスの政治論文集。歴史修正主義論争やドイツ統一を巡る、東ドイツを「吸収」するのか新しいドイツを作るのかといった時事ネタに反応したものなので、背景がよく分からないために理解できない所も多い。ドイツの政治家の個人名とかはなおさらだ(もちろん、訳者による適切な解説はついているが)。とはいえ、明確な考えに基づき、明確な立場をあくまでも展開するハーバーマスの議論は、必ずしもその見解に賛成するかはともかくとして、論点が何なのかについて非常に明確にしてくれる。

表題ともなっている近代(モデルネ)については、生活世界は認識、道徳、美が自然に絡み合って成立しているものであり、モデルネはそれぞれの独立をもたらしたという認識(p.33-40)はなるほどと納得した。歴史修正主義論争における過去を理解することと断罪することの違い(p.70)や、東ドイツにおいてシュタージに関わった者たちをどう扱うのかについての議論は、日本の議論状況にもとても参考になることだろう。靖国問題でいつも米中韓との関係の問題になってしまい、日本人としてそうした歴史をどう捉え、批判・反省するのかといった議論にたどり着かない日本には、ここでハーバーマスが言う過去の消化(Aufarbeitung)、むしろ反芻はまだまだと言える。

もう一つ感銘を受けた論点は、市民的不服従に関するもの。国家の法を侵すような市民的不服従はいかにして擁護されるのか。悪法もまた法なり、で片付く問題なのか。ハーバーマスは国家行為の合法性と正当性を区別している。国家行為が手続き的に合法であったとしても、それは正当であるとは限らない。この二つがわかれるところに市民的不服従の可能性がある(p.92f, 101)。法秩序の全体的な意味や存在が脅かされない限り、国家は市民的不服従を制裁しない道もあるのだ(p.96)と語っている。

議論はやや難しく、こうした政治哲学、歴史哲学をきちんと検討していないと細部をつかむのは難しい。ドイツ固有の問題に終わらせず、いかに自分や日本のものとして引き受けていくか。多くの論点を含んでいる。
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