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ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン『データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」』

データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」    ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむデータ・サイエンティストに学ぶ「分析力」 ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ
(2013/02/28)
ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン 他

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単一のテーマを巡って一定期間集中的に読んだほうが効率がよいかと(いまさら)思い、ビッグデータ関連本をしばらく追ってみることにする。本書はビッグデータをいかに企業戦略(主にマーケテイング)に生かしていくかというテーマの本で、かなりよく書けている。データに基づいて顧客のセグメンテーション、ターゲッティングを行い、伝えるべきメッセージやそのロケーションを決定する。さらに適切な予算設定(売上の何%とかいう基準ではなく本当に適切で必要な予算枠の策定)、効果の測定(KPIとして何をとるのか)、PDCAサイクルを回すための最適化といった事柄が書かれている。

著者が言うよう、特にビッグデータが騒がれる以前からデータや数字は重要だったのだ(p.1)。それは今になって重要になってきたわけではない。何が変わったのかというと、技術の発展により、顧客の行動に関するあらゆるデータが分析可能になった(旧来のデータの新しい分析が可能になった)。また、あらゆる行動からデータが生み出されるようになった(新しい種類のデータが入手可能となった)。そのため、データについて従来とは異なる分析が可能になり、戦略、戦略を実行するための戦術、戦術の実行という3つの場面において改善が可能になった(p.25f)。

とはいえ、データを分析をすればすべてが得られるわけではない。データには解釈が必要であり、「データとその解釈が揃うことで、初めて分析作業が楽しいものとなる。分析の半分は科学で、半分はアートでできているのだ」(p.115)。こうした様々な解釈の技法が実例とともに書かれている。それはバリュースペクトラムモデルや顧客生涯価値といったマーケテイングの概念から、クラスター分析や相関分析など計量経済学の概念、A/BテストなどのWeb技法まで及ぶ。なかでも数種類のページをランダムに提示してWeb分析により改善を図っていく多変数テストの実例(p.294-316)はとても面白い。

最終章ではこうしたビッグデータによるマーケテイングの行き着く先が予想されている。分析のノウハウが蓄積されていけば、こうした戦略・戦術構築は自動化されていく。すると必要な人間は技術者と魔法使いだと述べる(p.318,339f)。つまり分析システムをメンテナンスする技術者と、分析の結果得られた発見を行動へと導く魔法使いである。魔法使いは分析結果に対して創造力を用い、直観的な意思決定を行う。そしてこうした魔法使いたちによる試みを企業内で蓄積していく手段として、アジャイルマーケテイングが語られる。ソフトウェア開発技法のアジャイルに発想を得たこの方法は、OODAサイクル(観察Observe、情勢判断Orient、意思決定Decide、行動Act)からなる(p.340-346)。

非常に多くのネタが詰まった本で、ビッグデータによるマーケテイングを考える際には第一級の参考資料となるだろう。邦題が凡庸なのがちょっと玉に瑕であるが、戦略面からビッグデータを見るには最適の一冊。
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