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蓑谷千凰彦『推定と検定のはなし』

推定と検定のはなし推定と検定のはなし
(1988/04)
蓑谷 千凰彦

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推定と検定について書かれた読みやすい読み物。シリーズとして同じ著者から数冊出ており、前に読んだものがとても良かったのでこちらも読んで見ることにした。

推定と検定という統計学の考え方について、それが生まれてきた背景や、時にはピアソンとフィッシャーの対立などの人物像を含めて平易に語っている。教科書調ではないが、さりとて雰囲気だけつかめればいいと割り切っている本でもない。すべての確率事象を正規分布によって考えていた時代におけるt分布発見の意義が語られる。その後の、パラメーター推計法としてのモーメント法と最尤法の記述はなかなか難しい。最尤法はまだいいが、モーメント法は本書の記述ではよく分からなかった。推定の話としては後は信頼区間の話が続く。

検定については棄却域の話から始まり、野球の例などを取りながらかなり詳細に語られている。その後は確率事象のもとでの意思決定をどのように行うか、ゲーム理論やベイズ理論が述べられている。ここはそれまでの統計の話から発展しているが、興味深く読める。

全般的にやや話題が散在しており、それぞれの話題の軽重も様々である印象。とはいえ、一つ一つのトピックは面白く読める。時折挟まれる人物評や時代背景の話は、よくまとまっていて貴重なのではないか。

著者のベイジアンアプローチに対する態度が最後の箇所に書かれている。なるほどと思わされるところもあり、書き写しておく。
統計的決定論においてベイジアンアプローチは有効であるかも知れません。しかし推測理論の分野においては、パラメータについて事前にもっている情報(先験的情報がなにもなければ一様分布を想定するという場合も含めて)を先験的確率という形で主観的に与え、標本抽出後、ベイズの定理を使って事後確率を計算するというベイジアンアプローチは、古典的推測理論の体系をより一層豊かにしたとは思えません。
ベイジアン決定理論は、効用関数の導出、自然の状態が生起する確率の算出という二つの点において不十分さを残しています。数学的にはその存在が証明されたとはいえ、実際上、行動の選好順序を通じて効用関数、個人確率を算出するという方法は不可能です。したがって実際の意志決定の問題においては、効用関数(あるいは損失関数)をなんらかの形で特定化し、自然の状態の個人確率を与えるという方法をとらざるを得ません。ベイジアンアプローチが意思決定論にどの程度有効であるかは、個々の問題に対して経験的にその有効性を検証することによってのみ確認すべきです。(p.280)
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