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南部陽一郎『クォーク』

クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか (ブルーバックス)クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか (ブルーバックス)
(1998/02)
南部 陽一郎

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去年ノーベル物理学賞を受賞した、日系アメリカ人による本。ブルーバックスではあるが、気軽な気持ちで手に取ると痛い目に遭う。内容はけっこう高度。入門書の体裁の割りには専門的なところまで触れていて、面白いのだが。そもそも話題があまりに多い気がする。もっと絞って、説明に費やした方がよいだろう。

特徴は理論の発展史的になっているところ。特に坂田モデルからクォークモデルへと進んでいくあたりはよく書けている。かなり平易に書かれているし、数式も大したものは登場しない。それにも関わらず読みにくく難しい原因は、一つには説明が少ないこと。もう一つには推論が追っていけなくなること。本人は十分書いているつもりなのだろうが、唐突な話の展開に出会うことも。頭の切れる人が書いた本にはありがちなことだ。

他にもハドロンのひもモデル、くりこみ理論、磁力と対称性の破れ、といったあたりの説明が素晴らしかった。
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