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小林昭七『微分積分読本 1変数』

微分積分読本 1変数微分積分読本 1変数
(2000/04/25)
小林 昭七

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微積分の入門書。とてもよく書けている素晴らしい本だ。細かな証明のステップを丁寧に書こうとしており、そうしたところで躓きがちな人にはとても助かる。証明を細かく書くと分量が大きくなり、また記述の焦点がぼやけてしまいがち。この本はトピックを絞りつつも、中心的なものはしっかり扱っている。連続の概念や、指数関数・対数関数・三角関数・双曲線関数などよく使われる関数を紹介した後、微分に入る。合成関数の微分など微分の計算法を述べた後、テイラー展開を解説。ここのテイラー展開は特によく書けていると感じた。積分では積分が微分の逆操作になるという微積分の基本原理を述べた後、積分の計算方法。そしてテイラー展開の余剰項を積分で表す。最後にやや発展した話題として、複素数や関数の微積分を述べている。

気に入ったのは自然対数の底eの導入のところ。著者も書くようにeはlim_{n\to\omega}(1+1/n)^nとして普通は導入される(p.128f)が、本書はy=a^xのグラフのx=0での接線の勾配、すなわちx=0でのy=a^xの微分が1になるようなaとして導入している(p.124)。つまり、lim_{h\to0}(e^h-1)/h=1を満たすようなeとして定義している。そうすればde^x/dx=e^xとなるから、結局e^xは微分作用素の不動点となる。
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