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倉重英樹『シグマクシス 経営論Z』

シグマクシス 経営論Zシグマクシス 経営論Z
(2014/01/17)
倉重 英樹

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会社創立5年で東証マザーズに上場したコンサルティング・ファームを率いる著者が、そのファームのビジネスモデルや、自身の来歴について語ったもの。経済や社会の動向を踏まえて、ビジネスモデルがすっきりと提示されている。かなり整理されていて、感銘を受けた。例えば冒頭にはビジネスを取り巻く四つの変化として人口増加、IT技術の進展、グローバル化、ソリューション化をまとめていて(p.38)、これらに対してどうアプローチしていくかという観点から自社の戦略が説明されている。

とにかく変化の激しい現在の状況において、何よりもスピードを求める姿勢が印象に残る。例えば、コンサルティング・ファームはCEOが認識する課題を受けて、それを解決するというパターンがある。ただ、このCEOの課題認識はその会社のスタンスに拘束されたもので、より広い視野から検討した場合は別の課題であったりする。こうした客観的な分析がファームの強みである、と言った話をよく聞く。だが著者は、CEOの認識以上のものなんてほとんど出てきやしないので、そんな分析に時間をかけるよりはまずやってみたほうがよいと語る(p.77f)。 まずは小さな部分でfeasibility studyをやってみて、修正しつつ進むというのが有効である場面は確かにある。

他に随所で印象に残るのは、戦略を描くより、戦略を描くような人が能力を発揮できる環境を構築することを重視していること。創業者兼CEOというと、ある戦略に基づいて会社全体を引っ張っていくような印象がある。しかし著者はそうしたスタイルに加え、会社にいるメンバーを支援できるような仕組みを考えている。それはそうした人材の集まる、コンサルティング・ファームという業種だからだとも考えられようが、こうした考えを見ることも少ないのではないか。

人間の三つの輪として、やるべきこと、やりたいこと、できることの整理がある(p.202-205)。この三つの領域の重なりが大きいほど、仕事の充実感がある。やりたいことをやるべきことにするには、社内で提案をして会社の戦略として採用されることだ。できることをやりたいことにするには、できる人とのコラボレーションが重要だと書かれている。少し違和感があるが、コラボレーションをすることによって詳細が分かり実現性が広がり、できることからやりたいことへと意欲が生まれてくるということか。
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