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佐藤卓己『メディア社会』

メディア社会―現代を読み解く視点 (岩波新書)メディア社会―現代を読み解く視点 (岩波新書)
(2006/06/20)
佐藤 卓己

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『京都新聞』他に書かれたエッセイを集めたもの。その時の時事ネタを枕にして、メディア学の視点から書かれた文章が50篇並んでいる。問題意識としては現代における新聞社やテレビ局などメディアの役割や、歴史的事項を扱うものなど。

新聞での連載なので字数が限られており、また時事ネタに絡めようとしているため、言わんとするところがよく分からない文章もある。また論の展開が短すぎて話が飛躍しすぎていると感じるものも。時折面白そうな視点はあるが、詳しく展開することができないので物足りなさを多く感じる。結局、きちんとした議論の展開されないエッセイのようなものは、相変わらず自分は苦手なのだ。

二つほど面白いポイントを。天皇家やイギリス王室の肖像の記念切手が、男性が右になる形(向かって左)になっている。これは右を優位とする西洋式の並び順で、日本では昭和天皇と皇后の御真影を機に普及していった。現在では例えば結婚式の高砂での新郎新婦の並び順もこれだ。雛人形の並べ方でも現在では男雛が右になっている。ところが、日本古来の考えではこれは逆なのだ。京雛では男雛は左に置かれる。左大臣と右大臣では左大臣の方が官位が上であるように、元々日本では左の方が優位なのである(さらに辿ればこれは中国古来の考え)。著者は天皇家の肖像の並び順(どう表現されるかというまさにメディア学的視点)の変化に、西欧化の一端を見ている(p.80f)。

ほか、住民基本台帳ネットワークの反対世論を誘導した世論調査について書かれている(p.114f)。世論調査がその質問の設定の仕方によって、世論を作り出すことはよく指摘される。つまり、「○○は~という問題があると言われていますが、あなたはどう思いますか:問題だ、問題でない」などの設問。同調圧力の強い日本では、これは○○は問題があるのだ、という認識を誘導することは間違いない。住基ネットの世論調査を主導した朝日新聞の人間が、世論を誘導したことを懺悔している。

しかし一番面白かったのは、冒頭の里山文化の振興の話だった。著者もこの会議に参加していて、都会の高層ビルのなかで里山文化の振興を議論する違和感を記している。振興の対象とするような里山文化での生活が幸せであれば、なぜ里山から人が流出し続けているのかという端的な問い(p.i-viii)は興味深い。
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