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手塚悟・嶋田充宏・新妻継良『日本を強くする企業コード』

日本を強くする企業コード もう一つのマイナンバー「法人番号」とは日本を強くする企業コード もう一つのマイナンバー「法人番号」とは
(2013/06/27)
手塚 悟、嶋田 充宏 他

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2016年1月施行の共通番号制度に伴って導入される法人番号について。共通番号制度の施行は個人番号の方が注目されることが多いが、各法人に対して一意の番号を振って行政で使用するという法人番号の制度もある。こちらはその基本三情報(法人番号、法人名、本社所在地)が公表されるとされており、プライバシーにまつわる厄介な問題が発生していないのであまり注目されていない。だが行政手続きの簡素化を中心として、その意義は大きい。また、支払調書に法人番号を記載することになるなど、制度の開始に伴って企業が対応すべき事項もあるため、無視するわけにはいかない。個人番号がややこしい問題に巻き込まれていることもあって、共通番号の効果などについては法人番号のほうが見やすいだろう。

本書は日立グループの人間が中心となって、法人番号について書いた本。そんなに論争的なトピックがないため、あっさりした記述になっている。基本的には制度概要の説明と、現状考えられている制度では不足すると考える点、民間企業間での利用を含めた今後の展開、ヨーロッパやアジア各国の法人番号の試みなどが扱われている。

法人番号を導入することによるメリットが簡潔に5つにまとめられている(p.63)。(1)行政機関による企業情報の共有。様々な行政機関に同じ情報を何度も提出しなくても良い。(2)基本3情報(名称、本店の所在地、法人番号)の共有による社会的コストの低減。こうした情報の更新は現在のところそれぞれの企業が個別に行っている。(3)オープンデータの効率的な活用。現在、各種の統計などのデータが公開されつつあるが、法人番号などがなく名寄せするのが難しい。同名の会社はいくらでもあるし、ひとつの会社でも呼び方が違っていたりする。(4)企業間取引における公的文書の電子化。登記事項証明書や納税証明書などの電子化と簡単な取り寄せ。(5)産業統計の政策立案への活用。これも各行政機関で名称がばらばらで名寄せが難しいことを解消する。

ヨーロッパやアジア各国の法人番号の試みについてはよく調べられている。図にはまとまりを欠いたものが散見されるが、記述はしっかりしている。各国で呼び名や制度が違うものを比較できるようにまとめているのはとても参考になるだろう。

諸外国の事例を参照にしつつ、現状考えられている日本の法人番号における問題点はおおよそ次の三つ。(1)個人事業主に法人番号を付与していないこと。個人事業主もビジネスの現場においては契約主体として登場するものだから、統一した扱いのためには法人番号を振った方がよい。だが個人事業主の場合は、法人三情報として公開される住所は自宅の住所になる場合が多く、プライバシーの問題がある(p.22f)。個人事業主に付番するかどうかは諸外国でもまちまち。(2)法人の活動状況(休眠状態なのか、解散したのか)の情報が日本の制度にはない(p.92)。これは確かに必要だと感じる。(3)法人番号の付番は法人単位であって、事業所単位ではない。だが社会保障関係などでは事業所単位で管理する必要がある。各業種で事業所や店舗の考え方は違うし(例えば倉庫に付番すべきか、など)、数も多いのだが導入の必要はあるだろう(p.24f, 74)。ちなみに本書は第五章まるまるを当てて、事業所単位で法人番号を導入した場合に行政の事務コスト削減を始めどれだけの経済効果があるのか、相当に詳しく試算を行っている(p.116-171)。これは事業所単位の法人番号導入に向けた説得資料だろう(なぜかコストについてまったく書かれていないのだが)。

結局、法人番号制度は各行政機関で持っている法人情報の名寄せだ。一意の法人番号があることによって、各事務間で統一した法人情報の管理ができる。企業で考えれば、例えば公表された法人番号を使って各システムの取引先情報を統合したりできる。つまり、法人番号制度は国全体でのMDM(Master Data Management)の一環と考えられる。実際に日立のグループ企業間でMDMを行った経緯も書かれている(p.40-45)。

本書は制度の概要説明を目したものであって、制度の施行に当たって何を対応すべきかなどの情報はほとんどない。
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