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中村耕史『「少し先の未来」を予測する クックパッドのデータ分析力』

「少し先の未来」を予測する クックパッドのデータ分析力
クックパッドがその膨大なレシピ検索データを活かしたデータ分析の仕組みを構築し、それを外販するようになるまでの物語。著者は当時誰も気づいていなかったデータの価値に注目。周囲の理解はなかなか得られなかったが、異動や核となるエンジニアの参画もあって分析基盤を構築した。そしてマーケティングの観点からデータを活かしていく。データ分析基盤ができた後の話は、他企業とも連携しながらデータをどう活かしていくかが語られる。かなり平易な調子で書かれているし、話題も身近なものなのですっと読める。

クックパッドの検索データは良質。それは、クックパッドがレシピ検索サイトだからだ。そこに入力される検索語は、ユーザーが何を作ろうとしているかを表している。一般的な検索ではそうはいかない。クックパッドでは検索ワードは明確な文脈の元に集まっている(p.27-29)。クックパッドの検索データは「たべみる」という名称で2007年10月より提供されていたが、その価値は長らく理解されないままだったようだ。一般論としてネット企業の収益事業は三つ。有料サービス、広告収入、データ販売。このうち、クックパッドではデータ販売の分野がまだ育っていない、と感じていたのは百鬼CFOと同じ。たべみるのリニューアルはCFOとの関心の一致から動き出した(p.54)。旧たべみるには料金体系とサービス内容があっていない、経年変化が見られない等の問題点があった(p.44)。

データがよく利用されるための要素を著者は三つ挙げている。信頼できると感じられるデータ、知りたいことがわかりやすく表現されていること、気軽に利用できること(p.90)。たべみるのリニューアルはこうした要素をきちんと実現するように配慮された。これらの要素はどれもユーザー体験に関わるものだ。ユーザー体験について会社全体が敏感であり、ユーザファーストの開発姿勢が整っていること(p.186f)。おそらく、たべみるを成功させた要因はこうした開発姿勢にあるだろう。

題名にある「少し先の未来」がクックパッドのデータの特質を物語る。クックパッドの検索データは、これから人が何を作ろうとしているか、少し先の未来を表している。これがPOSデータやSUICAの履歴などの結果データとは違うと著者は言う。POSデータやSUICAの履歴は、消費者の行動の結果だ。クックパッドの検索は、何かの行動結果ではなく、これからの行動につながる消費者の欲求を示している(p.30-34)。というと、POSデータでもその食材で何を作ろうかという視点では、未来のデータと言えるのではないか。しかし、その材料で何を作ろうとしたのかは分かりにくい。やはり検索データとどのレシピを閲覧したのかの結び付けが分かれば強いのだろう(p.197-201)。

データ活用の点ではマーケティングに詳しい著者のセンスが見られる。例えば1000回の検索に占めるシェアを表したSI値や、季節指数などいくつか独自のものを定義している(p.107-117)。3C、STP、4Pの分析もよく書かれている(p.153-157)。
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