Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://exphenomenologist.blog100.fc2.com/tb.php/782-3735c22c

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

涌井良幸、涌井貞美『史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学』

史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学
とても良い本。ベイズ統計学のさわりを知るにはこれで十分だろう。最小限の統計学的知識を導入しながら、ベイズの定理を中心に据えて徹底的に解説。いくつもの事例でベイズの定理の応用がくどいほど書かれている。初歩的な解説がすでに後の展開を踏まえて書かれているので、MAP推定やベイジアンネットワークといった発想もすんなり導入できる。

後半はベイズ統計学(ベイズ理論を従来の統計学に適用するもの)について語られる。ベイズ統計学では事後分布の計算で確率密度関数の積分を含む複雑な計算に突き当たる。その対処として、自然な共役分布の活用と、MCMC法があると指摘して本書は閉じられる。

ベイズ理論の強みとして、事前分布の形で情報を取り入れられること、ベイズ更新の形で次々に情報をアップデートできることがある。これらは全編にわたって力説されている。事前分布の考えは、ベイズ理論の普及を妨げてきたものでもある。ただ、例えば各事象の確率について事前情報がない場合に等確率と推定する理由不十分の法則は、従来の統計学を超えるベイズ理論の強み。こうした事前分布の推定は人間の常識を取り込んでいるものでもある(p.106f, 141)。

ベイズ理論の解説が主なのでそれ以外の「従来の統計学」についての解説はあまりない。それがゆえに、ベイズ理論と従来の統計学の違いの比較は(随所でなされているものの)やはりやや弱く感じる。また、ベイズの公式の分母に出てくるP(D)の説明が弱い。これは全事象についてそれぞれ尤度と事前確率を掛けたものの和で、データ確率とか周辺確率とか呼ばれている。どの事象を扱うにせよ一定の値となるので、確かにベイズ理論を使う上で脇に置いてもよいかもしれない。ただし、イメージ化しづらいから考えなくてもよい(p.86f, 140)とするのはやはりちょっと不満が残るところ。

概説書としてはかなり良い本なので、ざっと読んだらこのレベルのものは終わり。本格的な入門書に移るのがよいだろう。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://exphenomenologist.blog100.fc2.com/tb.php/782-3735c22c

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。