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クリストファー・スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)
アルゴリズムに基づく機械的な判断が社会で広まっている。その様をいくつもの場面から描いた本。話題の中心はウォール街の投資アルゴリズムだが、音楽のヒット分析、人の心理学的分類と相性の推定、医療判断なども挙げられている。

ジャーナリストが書いた本で、残念ながら表面的な印象を受ける。現場の人にインタビューなどをしているが、おそらく著者の理解が浅く、深みのない記述になっている。著者の理解の浅さは、例えばこんな文章に現れている。
オイラーはその後、自分の名を冠したこの定理【オイラーの多面体定理】をさらに発展させ、位相幾何学(トポロジー)を研究するようになった。トポロジーとはカオス理論の一種で、ここ二十年の間にウォールストリートでトポロジーを絡めたアルゴリズムを書いて勝負したトレーダーの多くは大金持ちになっている。(p.116)
オイラーの時代にトポロジーなんてないし、トポロジーはカオス理論の一種ではない。株価の値動きとブラウン運動とか、カオス理論と金融工学の話はよく聞くが、著者は何と混同しているのだろう。

また、「アルゴリズムによる世界の支配」ということで思い浮かぶのは、複雑な機械学習で見られるような、人間には理解し難い法則性から導き出される判断だろう。例えば、バルセロナのPolyphonic HMIが判定したノラ・ジョーンズのヒット(p.134)などはそんな例で、面白さがある。ところが一方、ビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」の冒頭で誰がどの音を弾いているのかをフーリエ解析で分析した例などは面白いものの、そうしたアルゴリズム判定の話ではない。本書の最後の方に出てくるウォール街とシリコンバレーのコンピューター・サイエンス系の学生の取り合いなどは、さらに筋を外れている。

面白い話題はあるものの、表面的で散漫な印象を受けてしまう一冊。同様の事柄を扱った本であれば、『その数学が戦略を決める』とかほうがよいだろう。
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