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リチャード・ドーキンス『盲目の時計職人』

盲目の時計職人盲目の時計職人
(2004/03/24)
リチャード・ドーキンス

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明快で丁寧な、よい本。創造的デザイン論証に対して、ダーウィン主義を擁護する。現代の遺伝学についての詳細な解説になっている。500ページもあるので読み通すのは時間がかかるが、議論はとてもクリアなので負担は少ない。

例えば眼のような器官、またコウモリの音響測定システムなど非常に高度で複雑と思われる形質を生物はどうやって獲得したのか。進化によってそんな複雑なシステムが作られるのか。むしろそのシステムを創造する神のような知的存在を要請せざるを得ないのではないか。ドーキンスは、単に一回の進化で到達できることと、累積的進化で到達できることの大きな違いを繰り返し説く。そして、せいぜい100年のスパンでしか物を考えられない我々人間が、進化が何億年にも及ぶ地質学的年月のなかで累積してきたものを捉えることの難しさを説く。

累積的進化の凄さは、始めの方に出てくる二つの例で十分だ。ランダムな文字列がシェイクスピアのある一説になる確率。もう一つはドーキンス自身がコンピューターのなかで作った生物らしきもの、バイオモルフ。130ページほどこの二つの例を読めばよい。後はずっとこのテーマの繰り返しだ。

説明が詳細というか、ときに冗長。例えば正のフィードバックとは何かについて、5ページほどを費やして延々と解説。だいたい分かっている人なら読み飛ばしてよい。懇切丁寧なのはいいが、濃淡を付けて読む必要があるだろう。

後半では、有性生殖の話が面白かった。クジャクなどの雄の尾が長いことを、正のフィードバックによって説明する。尾が長い雄を好む方が、その子孫も生存しやすくなる。美人投票のような状況だ。

グールド批判については、少し言い過ぎの感を覚えた。確かにグールドたちがあまりに革新的な言い方をしすぎる、ということはあろう。ダーウィン主義への批判として捉えるのは間違いというドーキンスは正しい。しかしそれによってグールドらの議論の価値がドーキンスが論じるほど減じられるわけでもなかろう。
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