Entries

安原智樹『この1冊ですべてわかる マーケティングの基本』


マーケティングの基本がうまくまとまっている良書。それまでバラバラに知っていた知識を統合することができた。主に新商品開発のマーケティングとして解説している。既存商品育成、B2Bビジネス、製品財ではなくサービス財のマーケティングについては、新商品開発の場合との違いとして書いている。

まず、新商品開発フローとして書かれている6ステップ(p.36-38)がよかった。戦略の3ステップ(企業環境の分析、新商品コンセプト開発、マーケティング基本戦略)、戦術の3ステップ(ブランド・シンボル開発、マーケティング・ミックス、市場導入計画)。PEST、3Cや4Pといったフレームワークはこのステップに割り当てられ、解説されている。

様々に学ぶところはある。商品開発のフィールド探索としての消費者分析では、単に可能顧客としての消費者だけでなく、その外の全体としての生活者も考えることが必要。生活者の視点からのマクロ分析がPEST、消費者の視点からのミクロ分析がGCS(Genre, Category, Segment)として位置付けられている(p.50-57)。消費者がもっている顕在・潜在のニーズ、コンシューマー・インサイトを顕在意識、潜在意識、無意識に分けて、それぞれがアンケートのような1WAYアプローチ、対話による2WAYアプローチ、行動観察の非言語的アプローチに対応させているのもいい整理だ(p.71f)。

新製品開発では定性的な視点から定量的な視点へ向かうが、既存商品育成のためのパフォーマンス・レビューでは逆に定量的な視点から定性的な視点へ向かう(p.178-182)。市場状況、ビジネス状況、顧客情報、マーケティング活動状況の4状況に分かれたパフォーマンス・レビューのやり方も実践的。B2Bビジネスの3C分析は二回行うこと。一つはB2Cの場合と同じ自社に関するものだが、もう一つは顧客に関するもの。そのとき、単純に顧客の3C分析ではなく、参考になるのは顧客業界のリーダー企業を想定すること(p.231f)。

整理の仕方が自分の思考にしっくり来るのか、ちゃんと分かるマーケティングの本に出会った。この本を起点に手を広げられそうだ。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://exphenomenologist.blog100.fc2.com/tb.php/812-2b0ef7c1

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する